☆彼女の…… ページ37
「すみません、遅くなって」
「ええよ、そんな待ってへんし。なっ、よかーまくんっ」
ニコッと笑う 錦戸さんと
「俺達も今 来たとこやし、大丈夫やで」
と フンワリ笑う 横山さん
2人の目の前に座りながら、何度経験してもこの状況に慣れない私
彼とお付き合いする事になった次の日
見知らぬアドレスから6件もメールがきて驚いた。メールを開くと個性的な文面が次々と並んでいて
“僕ら6人が話 聞きますよ”
と言う 丸山さんの言葉を思い出した
私の相談に乗ってくれると言ってくれてはいたけれど、まさか本気だったとは…
次の日から、ひっきりなしに届くメール
ご飯や呑みのお誘いで、最初は“絶対 行ったらあかん”と言っていた彼も
“会う時は 2人以上”
“場所はみんなで食事をしたあのお店”
“0時までには帰る”
この3つを守る事で、メンバーさんと会う事を許された 私
初めは 渋谷さんと丸山さん
次は 安田さんと大倉さん
そして今日は 横山さんと錦戸さん
「…で、どうなん？村上くんとは？」
毎回聞かれるけど、
「どう と言われても…」
特に話しても楽しい話題じゃないと思うんだけど
「昨日も会うたんやろ？家でのヒナってどんな感じなん？」
興味津々の横山さん
「多分 皆さんといる時と同じだと思いますよ？」
昨日は、私の方が早く彼の家に着いたから晩ご飯を作って
彼が帰って来たら一緒に食べて
片付けは2人で それが終わったら
彼は読書か新聞を読んで、私は仕事をして
時間が来たら家まで送ってもらって……
「えぇ、待って？そんなけ？」
「は…はい」
「2人で…こう くっついたりとかっ、イチャこら せぇへんの？」
「こーら どっくん、A先生 困ってるやろ？」
確かに、私も薄々 感じてた
付き合い始めてもうすぐ2ヶ月
彼の気分で、部屋を出てから車までの間 手を繋いでくれたりもするけれど、触れ合うっていったらその程度で……
私って そういう“女の魅力”みたいなものがないのかなって
もう少し 彼に近付きたいなって、思ってたとこだった
「あ〜ぁ、ヤスが言うてたA先生の悩みって、きっとこの事やな」
「せやな、俺も大倉に言われたわぁ」
顔 見合わせて ニヤリと笑う目の前の2人に
こんな相談、恥ずかしくて出来るわけがない
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年12月12日 8時
