☆青さんの証言 ページ33
12月に入り、街はクリスマス一色
赤や緑のディスプレイに イルミネーション
とても綺麗で気分もウキウキしてくる
自然と出てくるクリスマスソングを口ずさんでいると、楽屋の隅に元気なさげな人 発見
「し〜んちゃんっ、どないしたん？」
「おぉ、ヤスか。えらい機嫌えぇなぁ」
「んんっ？いつも通りやけど？」
“そぉかぁ”と言いながらめくる雑誌
見出しには『X’mas特集』
「もうすぐ、クリスマスやねっ！」
「ん〜」
雑誌をパタンと閉じて
「なぁ、クリスマスって 一緒におりたいもんなんかなぁ…」
あぁ〜、そういう事か。A先生の事 考えたら元気なくなってもぉたんやね
「何で？A先生がそう言うたん？」
「いや。“ライブ頑張ってね”言うて応援してくれとるんやけどな」
「うん」
「クリスマスもな？26日でええからパーティーしよ 言われてるし」
「えぇやんっ、パーティー♪」
「でも、クリスマスって特別…やん？25日、ライブ終わったら会いに行く言うたらな、来なくていいって」
「あぁ、次の日 大阪でロケやから？」
「たぶん…な」
何ともA先生らしい。自分の事より信ちゃんと信ちゃんの仕事んことが優先
「大阪のロケ 終わったら会えるんやろ？」
「ぉん…」
「信ちゃん？そない日にちにこだわらんくてもえぇんとちゃう？」
「でも、初めてやしな。欲しいもん聞いても“丸いケーキ”とか、子どもかっ！ちゅうもんしか言わへんし」
信ちゃん、わかってへんなぁ。あの人やったら一緒に居られるだけで 十分。そう思ってんのと違うかなぁ
「A先生、かわええな」
「まぁ…」
「A先生は、信ちゃんが思ってるほどクリスマスにこだわってへんと思うで？」
「そぉか？」
「おん。せやから 26日が2人のクリスマスや思うて楽しんだらええと思うよ」
「そぉ、やんな。せやな おん そうしよう」
この間、A先生と飯行った時
あまりアクセサリーをつけないA先生の首元にキラリと光ったネックレス
「それ かわえぇねっ」て言うたら
頬 赤らめて、信ちゃんにもろたって教えてくれて
“安物だって言ってたんだけど…
初めてのプレゼントだし、一生 大切にしたいなって”
そう微笑むA先生の顔は すごく綺麗で
2人がお互いの事 大切に想っているんやなってヒシヒシと伝わってくる
でもな、信ちゃん？大切にしすぎてもあかんねんで？
A先生、ちょっと不安になってるみたいやしな……
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年12月12日 8時
