☆涼子ちゃんの証言 ページ30
“待っとけな？A先生必ず連れてくるから”
その言葉を信じて、毎週 公園の入り口で待つ
あんな奴の言う事、信じなければ良かった。そう思いながら友達の所に行こうとしたら
「涼ちゃんっ！」
「A…先生？」
振り向くと A先生が立っていた
「涼ちゃん、ごめんね」
A先生にギュッとしてもらいながら
「何で急に辞めちゃったの？私達の事、嫌いになっちゃった？」
今まで聞けなかった事を思い切って聞いてみた
「そんな事ないよ。涼ちゃんもみんなも 大好きだよ」
保育園を辞めたのは、友達を助けるためだったって聞いて、ホッとした
“あっ！A先生だっ”
遠くにいた他の子達がドタドタと走って来て、すぐ囲まれたA先生
「悪かったなぁ、待たせてもぉて」
「本当だよ、遅すぎ」
「時間かかってもぉだけど、約束 ちゃんと守ったから 許してくれ」
「うん……ありがと。あと おめでと。A先生と上手くいってるんでしょ？」
「まぁ…な。で、涼子には世話になったから、これ 俺からのお礼や」
大きな封筒に入った何か。中を見てみると
「えっ？、ええっ！ウソっ。本物？？」
「当たり前やろ。この間 歌番組で共演する機会があってな…」
観たっ。そのテレビ、私 観たもん
「お前ならこれが本物かどうか、わかるやろ？」
「うん…本物の ニノの サイン…」
「あと、これも やるわ」
一枚の写真を手渡されて
「ありが…とう」
「なんや その険しい顔は？嬉しないんか？」
「ねぇ、なんで…」
ニノの隣に 村上 信五 写ってんの？
「なんやねん、えぇ写真やんか。いらへんのか？」
「いや いや、いるっ。いるけど…」
「ほな 取っとき。俺 そろそろ行くな」
「A先生は？」
「ん？まだ話しとるみたいやし、先行くわ」
じゃあな と言って、慌ただしく奴は去っていった
その日の夕方。ダンスレッスンの休憩時間
「ねっ、涼ちゃんはニノのファンでしょ？関ジャニ∞だったら、誰が好き？」
「前は錦戸くんって言ってたよね？やっぱり“りょうちゃん”つながり？」
「今は 違うけど？」
「えっ？誰 だれ？」
「村上……信五？」
「「ええ〜っ！」」
「まっ、待って。ホントに村上くん？」
「私、大倉くんっ」
「あたし、安田くん〜」
村上 信五。あんた まだまだ だよ
私がこの世代のファン層拡大しといてあげる
報酬は……
ニノの1ショット写真でね！
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年12月12日 8時
