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そろそろ園に帰る時間
「は〜い、並んでー。帰るよぉ」
いつもなら子ども達が帰る前に公園を後にしていたのに、今日はしんちゃんと手を繋ぎながら列の最後尾に当然のように並ぶ 村上さん
人数点呼をしていると
「これから帰って何するん？」
「え〜っと…給食っ」
「給食？ええなぁ。今日はなに出るん？」
「今日はねぇ、カレーなんだぁ。そうだ、僕のクラスお休みがいるから、信ちゃん 食べていきなよ」
まるで友達を誘うようにサラリと言ってのける しんちゃん
「ちょっ…ちょっと待って！村上さん忙しいんだからそんなに気安く誘ったら…」
「大丈夫。俺 今日オフで1日ヒマやもん。一緒に給食 食おな？」
カレー楽しみやなぁ。と どの子よりも嬉しそうにしている村上さんの事
ちょっと可愛いなぁ……
なんて思ってる場合じゃない！村上さんは良くても、保育園の都合もあるじゃない？
「本当に…行くの？」
一応、本人に確認
「行くに決まっとるやろ？」
…………ですよねぇ〜
いつものように門の前で子ども達を出迎えてくれる園長先生。村上さんに気付いて会釈されるから、事情を話そうとしたら
「どーもぉ、こんにちはぁ」
村上さんが園長先生に駆け寄り
「私、関ジャニ∞の村上 信五と申します。実は…今回、ドラマで保育士役のオファーを受けまして…」
淀みなくスラスラと話してるけど…
あなた、やってますよね？
すでに保育士役 やられてますよね？
もしかして……ウソ？
「神谷先生の事を思い出しまして、是非 見学させていただけないかと…」
「そうですか。神谷先生さえ良ければ…」
“まさか、断らへんよな？”と言わんばかりにキッと見つめる村上さんに
「私は…いい です…けど」
断る事なんて できないよ
軽い足取りで門をくぐる彼の後を追いかけて
「ねっ、さっきの話…」
「んん〜？」
「ドラマの話って…」
「まぁ“嘘も方便”言うからなぁ」
「やっぱり…」
「やっぱり て。俺にドラマのオファーなんてこぉへんと思ってんのかっ！」
「ちがっ…だって やってるでしょ？保育士っ」
パシンと頭を叩かれて突っ込まれると思ったら
大きな手が ポスンとのって
「観とってくれたん？ありがとぉな」
グシャッと頭を撫でられて
そんな事されたら、仕事中なのに胸の中がザワザワと騒がしくなる
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年12月12日 8時
