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俺が知ってるのは“A先生”という彼女の名前だけで
子ども達とおったっちゅー事は、保育関係の仕事してはる人なんやろな、と推測はできるけど
それ以上の事は何も知らんくて
今度はいつ どこで会えるかもわからへん
「そーいう時は、文明の利器 使わな」
大倉がスマホ片手に
「今はな、保育園や幼稚園でもホームページ作っとるとこ多いんよ。先生の写真とか あるかもよ？」
そう言って検索しようとするその手を止める
「それは、ええから」
「えっ、何がっ？」
「探さんで ええって」
「なんで？すぐ見つかると思うよ」
でも、なんか そーいうのちゃうかな？って
「大倉 ほっとき。そいつ その先生との出会い“運命”やと思っとるんやろから」
「ヨコの言う通りや。再会できんかったら それまで…ちゅうことやろ。なっ？」
なっ？言うてるわりには、ゲームに夢中でいっこもこっち見ぃへん すばる
でも、2人の言うてること、合うてるんよな。
また会えへんかったら、縁が無かった 忘れろいう事なんやろなって
「ふふっ、信ちゃん“運命の出会い”信じてるなんて、ロマンチストなんやねっ」
「そんな事…ないけどな」
「そぉいえば、姉ちゃんとこの子が通っとる幼稚園は、毎週火曜日に弁当持って近くの公園に遊びに行くんやって」
「ほぉ……そぉか」
「また、会えるとええなっ。俺も応援しとるから！」
頑張ってなっ！とまるで自分の事の様にウキウキした足取りで俺から離れていくヤス
「なぁなぁ 村上くんっ」
ヤスと入れ替わりで近付く亮とマル
「次、A先生に会うたら、まず謝んねんで？」
「…お、おぅ」
「んで、連絡先はもうちょっと仲良くなってから聞いた方がええからな？」
「…ん」
「あと、あとなっ…」
「わかったって、大丈夫や。もう あんなヘマせぇへんから。ありがとうな、亮」
「信ちゃん、ちゃんと先生と話 してきてな？」
「んー？」
「信ちゃんには珍しく、言葉に詰まった言うてたし。多分A先生、いきなり連絡先聞かれて“不信感”抱いたと思うんよ。せやから、ちゃんと“村上 信五”って男をわかってもらえる様に、話 してきてな」
「おぅ、任せときっ。ちゃんと話してくるから！」
なんか……ええな
みんなが心配してくれて、アドバイスくれて
感謝 してる
「……にしてもっ、村上くんがっ 一目惚れってっ……」
「うっさい！笑うな 大倉っ！」
こいつ 以外にはなっ！
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年10月24日 7時
