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彼女が振り向くと、その後ろにはおさげ髪に黄色いリボンの女の子。ツカツカと彼女に近付き
「先生のせいで私、次 オニなの。早く来て」
「ええっ？私のせい？勝手に動くから見つかったんでしょ？」
「あれはっ、作戦だよ。作戦」
「イヤ イヤ、かくれんぼだから。一回 隠れたら動いちゃダメでしょ」
そんな2人のやり取りを、ポカーンと見ている 俺
「あっ…紹介しますね。この子がうちの“りょーちゃん” 涼子ちゃんです」
俺の事 ジーッと見つめる女の子に
「どーも、初めまして。こんにちは〜」
しゃがんで挨拶してみたものの
「……………」
返事なし。立ち上がろうとすると
「……なんで？」
「んーっ？」
「なんで “J”と一緒の紫なの？」
んんっ？“J”って…
「うわっ、すみません。涼ちゃん 実は 嵐さんのファンでして…」
あ〜 あ〜〜、そういう事か……
「すまんなぁ。あれは俺が“紫がええっ！”言うて決まったわけちゃうくて、なんとなーく決まってん。それに松潤は“パープル”って感じやけど、俺は“ナス”やしなぁ。その辺で、大目にみてくれんかぁ？」
「……仕方ないから…許してあげる」
「おおきに。ありがとぉな」
“りょーちゃん”の頭をポンポンとして立ち上がる
「ほしたら 涼ちゃんは……ニノのファンか？」
「うん…ニノ……大好きっ」
今までのしかめっ面がウソのようにパアッと明るい笑顔になった
「そぉかぁ。俺もニノと友達やから嬉しいわぁ。これからも応援したってな。あっ、その合間に 俺らのCDも聴いてくれるとええけどなぁ」
「……考えとく」
「おおっ、よろしゅうなっ」
差し出した右手をギュッと握る小さな手
「これで俺ら 友達 やな？」
「同じ紫なら、やっぱり“J”と友達になりたかった」
「せやから、それは ごめんってっ！」
すると、どこからか聞こえてきた笛の音
「あっ、もう集合だ。A先生 私 先行くね。じゃあね……村上 信五」
走り去る小さな友達を見送ると
「今日は色々と、すみませんでした。じゃ、私も失礼します」
A先生と呼ばれた彼女も俺に背を向け歩き出すから
「あのっ。連絡先とか…教えてもらえませんか？」
思わず、声を掛けた
ピタッと立ち止まった彼女
クルリと振り向き 満面の笑みを浮かべてこう答えた
「無理ですっ」
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年10月24日 7時
