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“絶対”なんて言葉、いつの頃からか信用しなくなっていた
でも、村上さんの“絶対 来ます”は 信じられる気がして…
ううん。信じたいって思ったのかな？
テレビ、ラジオ、雑誌の取材にライブのリハーサル
毎日 忙しくしているであろう 村上さん
だけど、ここ3週間は短い時間でも顔を出してくれて
「A先生！はよ こっち」
「ちょっ…待ってっ」
「ホンマにA先生、サッカー下手やなぁ」
敬語がなくなってきて、村上さんとの距離が近くなったように感じる
嬉しいけど…………怖い
村上さんとの会うのは水曜日。次の日は木曜日で
お昼休憩に、たまに戻る職員室。たまたまついているテレビの中にいるのは村上さんで
昨日は隣にいた人。今日はテレビの中にいるアイドル
やっぱり断ればよかったかな？
“来年も”と言われて、つい“楽しみにしています”なんて答えてしまった
「はぁ。私 何 やってるんだか」
子ども達がいなくなった部屋を掃除して、鍵をかけて職員室に戻ると
「わぁ〜っ。先生、凄く似合ってるぅ〜」
「かわいいぃ〜」
何人ものサンタとトナカイ？
どーなってるの？
「なんか、今年のクリスマス会、先生達がコスプレしてやるらしいですよ？」
私達は、これだけなんですけどね と、サンタ帽をかぶって教えてくれたパートの先生
毎年12月24日に行われていた クリスマス会
今年度から、園長先生が変わって行事予定が見直され、今年は少し早い12月16日に決定した
子ども達にその事を伝えると
「なんで水曜日なの？公園 行けないじゃん」
子ども達にはクリスマス会より、公園の方が魅力的みたいで
「わかったっ。じゃあ、クリスマス会 終わった後に、公園 行こう」
そんな話を今日したばかり
「はいっ。A先生は これですよっ」
私よりも10歳は若い先生に渡されたその衣装
着てみれば
「A先生、似合ってますよっ。先生って年のわりに脚 綺麗ですよね？」
あぁぁん？
「そっそっ。先生、ミニスカート履くなら今のうちですよ？」
はぁぁん？
そんな後輩からのイヤミを聞き流し、鏡の前に立つと
なんじゃ こりゃ
これまで着たことのない程 短い丈のスカートを履いた、サンタ姿の自分がうつる
「A先生、子ども達が喜んでくれると思って、頑張りましょ？」
パートの先生に励まされながら
「そうですね」
苦笑するしかなかった
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年10月24日 7時
