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暑い中にも吹く風は秋の気配を感じさせる
天気もええし、今日は外で食うてみるかな？
商店街を抜ける頃には、弁当 果物 お菓子…両手がふさがるほどに色んな物もらって
11時を回って 昼飯にも丁度いい時間
確か あっこの角 曲がって少し行くと公園があった気が…
公園に近付くと、植え込みの影から聞こえる女性の声
「やだっ。ちょっ… ヤメてよっ」
「もぉっ。くすぐったいってば…」
カサカサと落ち葉を踏みしめる音
ヒソヒソと囁くような話し声
なんっやねん、最近の若いもんはっ。白昼堂々こんな所でイチャこらしおって
親の顔が見てみたいわ！
呆れながら来た道を戻ろうとしたら
「あっ、ズルいっ。待ってよ………
りょーちゃん」
………………んんっ！？
いや いや いや いや
それは ない。絶対 あらへん
あいつも俺の住んでる所 知っとるしやなぁ
俺と遭遇しそうな それもこんな街中の公園で……
いや。ないって。俺 どんな想像しとんねん！
同じ名前の奴なんて、ぎょーさんおるやん
中学のクラスメートにもおった……
“りょう”って 名前の奴
でも、さっきの“りょーちゃん”って呼んだ女の声が頭から離れなくて
意を決して 公園に足を踏み入れた
手前には小さなグラウンド。奥の方にブランコや滑り台が見える
人気のないグラウンドを抜けて、遊具のある方に向かおうとしたら、左の植え込みからガサゴソと音が聞こえて、とっさに木の影に身を隠した
ゆっくりと植え込みから出てきたその女性
静かに歩き出したから
「あのっ、すんませんっ」
思わず 声をかける
「はいっ？」
彼女が振り返ると
『ちょっと、お伺いしたいんですけど…』
ちゃんと次 言うセリフは決まっとって、それが声になって出てくるはずだった
やのに……
「えっ…と…」
彼女の笑顔を見た途端
雷 落ちたんちゃう？っていうくらいの電流みたいなんが頭のてっぺんからつま先まで駆け抜けて
頭も身体も心もビリビリ痺れる感じ
上手く言葉が出てこぉへん
なに これ？俺の身体 どーなってんの？？
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年10月24日 7時
