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「痣完全に消えましたね。足は大丈夫ですか?」
「うん。無事に走れるまでになりました。」
「よかったです。
手も大丈夫ですか?」
そう言って、私の手を指さして心配そうにしてくれる。
両手を樹くんの前に出して見せる。
「この通り無事です。
心配してくれてありがとね。」
「先輩の手大事ですからね。
そういえば先輩のクラスなにするんですか?」
「うちは喫茶店だよ。1Bは?」
「俺のクラスはやきそばっす。
中庭なんで絶対来てくださいね。」
「もちろん、友達と行きます。」
「クラスチラシって先輩が描くんですか?」
「看板とチラシは私が描くよ。」
「できたら俺にもください。
楽しみしてますから!」
「もちろん。」
「じゃあ!先輩方もお疲れっすー。」
ベージュのカーディガンにYシャツのボタンを2つ開けて腰パンな樹くん。
そういえばこの前、校門で規律委員に注意されてたっけ。
私と一通り話終えると、安井と京本にぺこりと挨拶をして颯爽と廊下を走り去って行った。
「なにあれ?」
「みなのハチ公。」
「は?田中樹が?」
「みなに懐いてるわんこ。」
「京本知ってるの?」
「幼馴染バスケ部だからな。」
「美勇人か。
あーそうだ、あいつバスケ部か。」
「うっわおもろー。」
「悪い顔してるし。」
「美勇人に聞いてみよー。
いやまじこれ面白いわ。」
「それ俺も気になる。」
「お前のこと好きなんて変わったヤツもいるもんだね。」
告白をされたあの日から樹くんと話すことが増えた。
でもそれから樹くんは私を見つけると話しかけて、笑いかけてくれるだけ。
好きと言われたことすら、京本の言葉で思い出したぐらいだった。
私をどこで知ったのかもまだ聞けてないんだった。
「みな履き替えた?」
「あっごめんごめん。行こっか。」
「おっせーよ、とろい!」
「京本ほんとに嫌い!」
「ほら、もうやめろよな!
俺がただただ疲れるだけなんだから!」
上履きをしまい、ローファーのかかとをひっぱる。
気になることももやもやする気持ちも、こうして京本にイライラしたり。
毎日感情がいろいろ変化して疲れる、それは当たり前のこと。
でも今日も変わらない樹くんの笑顔が最高の癒やしだったりする。
好きって言われたこと、もっと大切にしないといけないと思った。
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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時