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「流れで行くことになってるなら言うてや？」
「え？どういうこと？」
「いやお前なんかあんまり断らへんからいつも連れ回してるし。
今だってそうやんか、嫌ならちゃんと嫌って言ってほしい。
俺、わりとお前気に入ってるんやから･･･お前の気持ちはちゃんと知りたい。」
「嫌だなんて思ったことないよ、ありがとうっていつも思ってる。
BBQもちゃんと行きたいけど、知らない人が居たらいつもの雰囲気壊れない？」
「Aが居ることでってことやんな？」
「そう･･･私は行きたいけど。」
「それならそれでええやん、俺が誘ったんやし。
おっさんらJK来たら喜ぶに決まってるやん、お前かわええ顔しとるしな。」
さらっと流れるように言われた言葉にカーッとなるのがわかる。
しげに可愛いって言われるのは、他の人とは違うから。
サンダルから出てる足の爪を見ながら、悟られないように歩く。
「じゃあお願いします。」
「ほなみんなにも言うとくな。」
「しげ、ありがとね。」
「なんなん、辞めてやそういう感じちゃうやん今。」
「言いたくなったから、もう二度と言わないけど。」
「恥ずかしなるからあんまり言うなや。
たまにやったらええけどさ、うん･･･にしても暑ない？今日。」
「しげは会った時からずっと暑いっていってる。」
「汗かくから嫌いやけど、俺夏生まれやからなんだかんだ好きなんよな。」
「いつ誕生日なの？」
「8月のいつか。」
「日にち教えてよ。」
「また今度な。」
「いいじゃない、今でも。」
「お前の誕生日過ぎたら教えたるわ。」
「神ちゃんに聞くからいい。」
「口止めしとかなあかんな。」
「なんで言いたがらないの？」
「なんでもええやん、気が向いたら言うわ。」
「なにそれ。」
なんで誕生日を教えてくれないのかはわからないけど、なんでもない会話が楽しい。
テンポのいい掛け合いも、歩幅を合わせて歩いてくれる気遣いも。
口ではなんにもしてないだなんていうしげ、本当にかっこいい。
フィルターがもしわたしにかかってたとしても･･･しげはかっこいい。
「浴衣家置いてくるから待っといて。」
「いいよ、まだお昼過ぎで明るいし。」
「もうちょっと話しときたいって思ったから、待っとけって。」
「わかった。」
しげのおうちの玄関にぐいぐい背中を押され座らされる。
『じいちゃん、取ってきたでー！』って大きなしげの声。
キミに会えた、また好きになった夏休みハジマリの日。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
