22 夏休みのハジマリ / Daiki.S ページ47
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夏休み初日、東京に居る友達に手紙の返事を出しに郵便局へ。
窓口で手紙をお願いして、外に出ると白いTシャツを着たしげが居た。
手をあげてくれるから、小さく手をあげた。
「どうしたの？」
「買い物頼まれて、郵便局通ったらお前居ったの見えたから。」
「これから買い物？」
「そんな感じ、暇なら一緒に行かん？」
「うん。」
断る理由もなくて、しげの隣を歩く。
のんちゃんや藤井くんに比べると小さいけど、私よりは大きい。
相変わらずおでこには汗が光ってて、本当に汗がよく似合うなって思った。
「BBQやねんけどさ。」
「あっうん。」
「親とか許可取らんとあれよな？」
「一応行くかもしれないって行ってあるし、平気だと思う。」
「まだ日にち確定してないんやけどさ、奈良の方まで行くんやけどいけるか？」
「うちの親、そんなに厳しくないから平気。」
「そっか･･･ほんなら良かったわ。
日にち決まったら、連絡するな。」
「うん。」
女の子扱いをたまにしてくれるしげ。
優しいに触れると、また胸の奥の方がきゅっとなる。
でも、誰にも言わない･･･もう少し自分だけの宝物にしておきたい。
「なに買いに行くの？」
「ああ、じいちゃんの浴衣取りに行くねん。」
「夏っぽいおつかいだね。」
「流星の家がな呉服屋やってるんよ。
あいつ今日店番してるっていうからついでに。」
「そうなんだ。」
「小瀧ん家も寄っていくか−。」
「のんちゃんのところもお商売してるの？」
「あいつの家はパン屋。」
「じゃあしげも？」
「俺ん家はふつーのサラリーマン。
神ちゃん家も、あと幼なじみ2人の店が同じ商店街にある。」
「もうひとりの幼なじみの人は？」
「病院、駅前にあるやん？大きい。」
「わかる、引っ越してきた時に見た。」
マンガとかドラマの世界みたいな幼なじみ。
すごくいいなぁって思ったのと同時に、仲間に入れてくれたしげに感謝しかない。
「そういえば、弟居るんやっけ？」
「うん、神ちゃんの妹さんと同い年みたい。」
「どっちの？」
「中学生の方、弟と妹さん同じクラスみたいなんだよね。」
「そうなんや、世間って狭いなぁ。」
「ほんとだね。」
「弟も良かったら連れてきてええよ。」
「邪魔だと思うよ･･･声大きいしびびりだし。」
「Aが嫌やなかったらでええよ。」
信号で止まって私の顔を見るしげ、優しい顔するとドキドキして目をそらしたくなる。
でも、すごくうれしい。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
