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できるだけ下着の水をぬぐって着替えて、タンクトップを絞りながらプールへ戻る。
「なぁー。」
「ん？」
「もう食べへんの？」
「もらったのにごめん。」
「大きかったもんな。」
そう言いながら、半分のおにぎりを口に放り込むしげ。
好きになっちゃう要素しかないじゃん…そりゃモテるよ。
「俺、寝るわー。」
「制服干さな。」
「神ちゃんやっといてー。」
タオルを枕にして流星は寝た。
「Aちゃん、制服干そ。」
「うん、しげの干してくるよ。」
「おお、ありがと。」
しげのシャツと制服のズボンをもっていく。
「1時間あれば乾くやろうな。」
「今日すごい暑いもんね。」
「でもまぁクリーニング出さな、薬品入ってるからな。」
「たしかに…金曜日でよかった。」
「ほんまやね。」
神ちゃんと制服を干し終わって、ベンチに戻るとしげも寝てた。
「赤ちゃんみたい。」
「寝顔ってなんか幼くなるもんなぁ。」
「しげ、えくぼ出来てる。」
「小さいころからちょっと上の方にあんねんな。」
「神ちゃんたちは幼馴染？」
「そう、あと3人居るねん。」
「そうなんだ。」
「俺らより3つ上やから、大学2回。」
「いいね、なんか。」
「兄弟といる時間より長いからなぁ。」
「そっか。」
「Aは兄弟居るん？」
「弟がいる、今中1。」
「俺の妹と同じやな。」
神ちゃんと話してるとしげがすくっと起き上がる。
「寝てたわ。」
「ちょっとだけだけどね。」
「俺飲み物買ってくるけど、なんかいる？」
「私は大丈夫。」
「俺も、まだカフェオレあるわ。」
「ほんならちょっと行ってくるわ。」
「いってらっしゃい。」
神ちゃんが財布をもって走ってプールから出て行った。
「怖くなかったか？」
「うん、すぐ助けてくれたからね。」
「小瀧、ほんまクソガキすぎるわ。」
「一瞬嫌いになったもん。」
「躊躇なく放り込んだもんな、あいつ。」
「足つかなくて焦った。」
「真ん中に行くにつれて深なってんの、あいつ知らんかったんやわ。」
「じゃあ…許してあげよっかな。」
「許したって。」
しげが笑うから、なんかうれしくて私も笑う。
「夏休みどっか行こうや。」
「どっかって？」
「毎年川行ってBBQしてるんやけど、Aも来てや。」
「いいの？」
「楽しい夏にしたいやろ？」
「うん。」
しげが空を見るから真似して空を見上げる。
今年の夏は色んな意味でアツくなりそうだなって思った。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
