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しげが手を引いて、一緒にプールからあがってくれる。
私はそのままベンチの方に行くと藤井くんが死ぬほど笑ってる。
「あいつ容赦ないわ。」
「小瀧嫌い…午後授業あるのに。」
「今、神ちゃんがジャージとタオル取りに行ってるわ。」
「もうほんとに…はぁ。」
「しげが復讐してるわ、めっちゃ望沈められてる。」
プールを見ると、全身でのんちゃんを沈めるしげ。
藤井くんがムービーを取りながら笑ってる…なんかおかしくて一緒に笑う。
しげと目があって、プールサイドに近づく流星を落とせってあごをクイクイっとさせた。
静かに立ち上がって藤井くんに近づき、背中を思いっきり押す。
「うわぁ！」
大きな声が響いて、すぐに水しぶきがばっしゃんとあがった。
プールでじゃれてるしげとのんちゃんがそれを見て笑ってる。
「気持ちええわー。」
って平泳ぎする彼はやっぱりちょっとどころじゃなくてずれてる。
「あれ…みんなあほやなほんま。」
プールに居る3人をしり目に、わたしのところに急ぎ足で来てくれた。
「これタオルな。」
「ありがと。」
「5時間目ここでサボるんもありやな。」
「先生に怒られるのはやだなぁ。」
「でもスカートびしゃびしゃやし、それで授業受ける？」
「ジャージで受けようかな。」
「俺らとAちゃんだけ制服ちゃうとあれやない？」
「あー。」
神ちゃんが言わんとしてることがわかる。
ひじりちゃんが言ってた言葉を思い出して、ベンチに座った。
「次の授業、丸山先生やからいけると思う。」
「そうなの？」
「しげ仲いいから大丈夫やわ、のんちゃんは知らんけど。
のんちゃん5時間目の授業なに？」
「俺体育ー。」
「ほんなら予鈴前にはよ着替えていきやー。」
「みんな戻らんの？」
「「「誰のせいや！」」」
「俺か。」
その声が響いて、笑ってると予鈴が鳴る。
のんちゃんはびしゃびしゃのまま、校内へ戻っていった。
「あーしんど。」
「俺もう眠い。」
「流星はいつでも眠いやん。」
しげと流星があがってきてベンチに座る。
神ちゃんからタオルを受け取って、わしゃわしゃする。
「A着替えてきたら？」
「うん…神ちゃんジャージ借りるね。」
「2つあるから気にせんといて。」
タオルと神ちゃんのジャージをもって更衣室へ向かう。
夏の日差しに見守られながら、初めて授業をサボった。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
