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屋上につくと、ベンチに寝そべる藤井くんの足が見えた。
その隣に神ちゃんが膝の上にお弁当広げて、その隣でしげがおにぎりを食べてた。
「Aちゃん拾ってきた。」
そう言ってのんちゃんの後についていくと、ベンチから荷物をよけてくれるしげ。
そこに座って、サンドイッチをひざに乗せて後ろの溝にカフェオレ2つ置く。
「それだけなん？」
「うん、しげおにぎり3つ？」
「せやで、しかも全部ツナマヨ。」
「ツナマヨおいしいよね。」
「コンビニでもツナマヨ一択。」
「ちょっとわかる。」
レタスサンドがシャキシャキしてておいしい。
しげもおいしそうにおにぎりを頬張って、ちょっとかわいいなって思った。
「なぁーあ！しげ彼女は？」
「しつこいわ、小瀧。」
「教えてくれるって言うたから、掃除したのに。」
「そんなこと言うたかなー。」
2つ目のおにぎりを口にいれてもぐもぐ咀嚼するしげ。
神ちゃんは気にする素振りを見せず、藤井くんは相変わらず寝てる。
「Aちゃんも気になるって。」
「言ってないよ、別に。」
「協力する言うたやん。」
「そんなこと言ったかな？」
「言ったやん！うそつきや！」
のんちゃんはそのまま大の字になって、その場に転がった。
ゴロゴロしてほんとに大型犬みたい。
「それキュウリ入ってへん？」
「レタスとハムだけ。」
「ほんならこれと交換。」
そう言ってバンダナから真ん丸のおにぎりを私の手に乗せる。
「いいの？」
「それと交換しよや。」
「いいけど。」
レタスサンドを取って、半分ぐらい口に入れる。
「からし強いなぁ。」
「たしかに。」
「でもまぁおいしいわ。」
「これ飲む？」
「いいん？」
「Yシャツのお礼ってことで。」
「ほなもらうわ。」
ラップで包まれたおにぎりをかじるとすぐにツナマヨが出てくる。
「うまいやろ。」
「具がいっぱい入ってる。」
「コンビニのも購買のも具が少ないねんな。」
「たしかに。」
2口で食べ終わったしげは、ちまちまパンを食べるのんちゃんへダイブする。
仲良くじゃれあって、兄弟みたい。
ふと隣を見ると色とりどりの神ちゃんのお弁当が見えた。
「なんか食べる？」
「すごい彩りきれい。」
「卵焼き自信あんねん。」
「え？自分で作ったの？」
「お弁当は俺が担当やねん。」
「そうなんだ、偉いね神ちゃん。」
「両親共働きやからねー。」
口元に運ばれた卵焼きを躊躇なく食べたら、口に優しい甘みが広がった。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
