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村上先生と3人が掃除道具を持ってきて、プールサイドのベンチに集合。
私はなぜかのんちゃんに手を引かれたままで、顔を見上げるとなぜかニコニコされた。
「小瀧、おまえなんで居るんや。」
「しげに誘われた。」
「ほんで、Aと手をつないでんねん。」
「えーそれ言わすん？」
「照れんな照れんな･･･まぁええわ、ほな掃除開始。」
のんちゃんが私の手を引いたまま掃除道具を取りに行くと、一瞬で引き離された。
「ていやー！おまえは何をしとんねん！」
「だからそれ聞くん？」
「お前もぼんやり繋がれとるんちゃうぞ！」
「え･･･なんかごめん。」
「なんでAちゃん謝るん？」
「テンポ的に？」
「今はテンポいらんわ、あほ！」
理不尽にしげにキレられてたら、その後ろで手をちょいちょいとされる。
しげのターゲットがのんちゃんに移った瞬間、そーっとそっちへ向かう。
「ほっといて掃除しよ。」
「うん。」
「望なんで来たんやろ。」
「なんだかんだしげのこと好きやからね。」
「しげの彼女見に来たって言ってたよ。」
「へぇーえ。」
対して興味もない様子で、モップを持ってプールへと入る。
5人の女子たちとは反対側から始めることになった。
動きを見てる限り、神ちゃんはきちんとしないと嫌みたい。
藤井くんと私の後ろに回って、とれてない汚れをとってる。
神ちゃんに迷惑が掛からないように力入れてるんだけど、汚れが落ちない。
「神ちゃんに悪いなぁ。」
「ええねん、おかんやから。」
「強めにこすりなよ、藤井くん。」
「流星って呼んでや。」
「気が向いたら。」
「向かへんやつやん。」
「ほらそっちまだ汚れてるよ。」
「ええやん、あっち側からも人来てるし。」
藤井くんは神ちゃんとは逆でわりとテキトーな人。
たしかに授業中もだいたい寝てるもんね。
話しててもずーっと眠たそう、後ろを振り向くと小刻みにモップを動かす神ちゃん。
「ほんとにお母さんみたい。」
「料理も出来るし裁縫も得意やしね。」
「だからって、撫でてるだけじゃだめだよ。」
「えーもう帰りたいねんもん。」
「授業中、ずっと寝てたんだから力余ってるでしょ。」
「催眠学習してんねん。」
「睡眠でしょ？」
「えっ俺今なんて言った？」
「催眠って言った。」
「言うてへんって。」
「言ってたの。」
「えー言ったんかなぁ･･･全然覚えてへん。」
ため息を飲み込んで、神ちゃんを見習って小刻みにモップを動かした。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
