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「えーいややープール掃除。」
「しゃーないやろ、俺が元顧問やねんから。」
「みんな嫌やって言うてるし。」
「藤井はやる気やで。」
「流星は寝とるだけやーん！！」
7月から始まるプールの授業前に掃除があるみたい。
水泳部の元顧問だから、村上先生のクラスが掃除を担ってるらしい。
転入してきてすぐにしげが話してくれたおかげでクラスに馴染むことが出来た。
それを本人に言ったら、またマシンガンのようにつけあがるから言わない。
そんな判断もつくようになった、7月初旬。
でも、毎日楽しいのはきっとしげのおかげだな。
「はぁーやってられん。」
っていいながらプールへ続く階段を上がっていく。
放課後に行われるから大会前の部員は免除され、そこからじゃんけん大会。
誰よりも大きな声で意気込んでたしげがいの一番に負けた。
「神ちゃんと流星は暇やから絶対やで！」
とんだ暴君に掃除に巻き込まれたふたり。
黒板に自分の名前と神ちゃんと藤井くんの名前を書いて、パンパンッと音を立てて手をはたく。
席の戻るしげと目が合ってしまい、私の顔を見なりニヤリとまた黒板に戻る。
「村上先生、アイツプール好きなんやってさー。」
言った覚えのない理由で黒板に書かれた私の名前。
「そーなんか？」
「違いますけど･･･暇なんで大丈夫です。」
「ほんなら悪いけどよろしくなぁーあと6人ぐらいなー。」
席に戻ってきたしげをひと睨み。
「しげ。」
「暇なんやろ？ええやん。」
「いいけどプールは嫌い。」
「そうなん？」
「泳げないから嫌い。」
「神ちゃんと同じやん。
まぁ泳げなくても掃除やしいけるて。」
「いいけど、暇だから。」
なんとなく誘ってくれたことがうれしかったからまぁいっかって思った。
「なぁーしげ。」
「んー？」
「なんで俺掃除せなあかんの。」
「ええやん、暇やん。」
「せやけど、めんどいやん。」
「あっ小瀧も誘っとこ。」
「遊び誘うみたいなテンションで誘うなや。」
「流星だけやで、文句言うてんの。」
「まぁ神ちゃんは言わんやろうけど、Aさんはええの？」
「私も暇だから･･･うん。」
「しげに優しいっていうか気ぃ浸かったってええことないで。」
「A･･･おまえまだ俺に気を遣ってんのか。」
「じゃあ行かない。」
「ほらー流星！お前のせいやぞ！！」
「えぇぇ−ごめん、掃除来てください。」
なんか面白くなって笑ったら、しげも笑った。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
