19 とあるフリーライターに訪れた恋のアラート / Ryuto.S ページ31
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｢いらっしゃいませ。｣
大通りをひとつ入ったところにある細い路地に面しているカフェ。
�� ななほし�瓩箸いΔ劼蕕�な表記の看板に惹かれて足を踏み入れた。
バリスタであり店長である北斗さんのお名前が由来。
カフェの名前の由来を聞いたら、北斗さんの名前の由来もなんなら北斗七星とまで教えてくれた･･･博識な上に話好き、いや超超超おしゃべりな人。
それが心地よくて、人生で初めての常連と呼べるお店ができた。
いつも通り、ガラスアートがキレイなドアを開けると知らない声。
所謂“イケボ”の中に見え隠れする、若さのあふれる優しい雰囲気。
背は北斗さんくらい、白シャツに黒のサロンが良く似合う男の子。
｢奥のテーブル席にご案内します。｣
｢はい。｣
｢こちらへどうぞ。｣
白シャツから見える筋張った腕につい見惚れてしまう。
椅子を引いた場所に誘われるように座ると、足下に荷物を入れるカゴを置いてくれる。
｢こちらお使い下さい。｣
｢ありがとうございます。｣
｢ご注文はどうなさいますか？｣
｢えーっと･･･。｣
いつも何も言わなくても出てくるから、絵に描いたように狼狽える。
急かされてるわけじゃないのに、きれいな顔に見守られて全然言葉が出て来ずメニューとにらめっこ状態。
「暑くなってきたので、アイスコーヒーはいかがですか？」
「あっそっそうですね･･･それでお願いします。」
「ミルクとガムシロップはおつけしますか？」
「おっお願いします。」
「かしこまりました、少々お待ち下さい。」
頼んでからもなんかそわそわして、足がつりそう。
カウンターの方から北斗さんの声で“うっそ！注文間違えてない？”って声。
北斗さんがびっくりするのは無理はない、アイスコーヒーなんて頼んだことないから。
『一応、コーヒーにこだわってる店なんだけどね。』
しばらく経って北斗さんからそう言われた。
でもまぁ仕方ない･･･いくら北斗さんのお願いでも、私はコーヒーが苦手で飲めない。
基本的に、ミルクティーかアイスティーの二択。
急ぎ足で近づいてくる足音に、これ以上踏ん張れないほど足に力が入る。
「すいません、常連さんなの知らなくて。」
「私も言わなかったので。」
「いつものでよろしいですか？」
「はい･･･すいません。」
「謝らないでください！少々お待ち下さい。」
長い足でカウンターまで急ぎ足、感じのいい子。
なによりあの大人びた視線に、少しだけ胸がざわついた。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
