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走って大学へ入って、少し立ち止まって息を整える。
「A？」
「顕嵐、おはよ。」
「めっちゃ眉間にしわ寄ってる。」
「え？」
「朝から嫌なことあった？」
「ちょっとね･･･。」
「あっお兄さん？」
「そう。金曜日は1限あるってバレてるから。」
「でも優しいお兄さんだよね。」
「優しいっていうか、なんかねぇ。」
「いつか会ってみたい。」
付き合って2年、顕嵐はかっこよくて優しい。
ママはそんな顕嵐にメロメロ、パパもわりとメロメロ。
あとはお兄ちゃんだけ会ってないから会いたいってたまに言われる。
「っていうか少し日に焼けた？」
「サークルで海行ってきたからね。」
「先週だっけ？」
「そう、にしてもA白いよねー。」
「そうだね。」
「色白女子好き、俺。」
「色白じゃなかったら嫌ってこと？」
「そういうんじゃないじゃん。」
「色白が好きって言った。」
「Aなら色黒でもいいよ。」
「でもってなに？」
「もー！」
過保護のお兄ちゃんのおかげで得たものは色白であること。
あと、面倒くさくてわがままな性格もたぶんお兄ちゃんのせい。
「はぁ。」
「なに？」
「我ながらめんどくさいなって思っただけ。」
「うーん、確かにね。」
「肯定した。」
「でもわがままな女の子俺好きだけどね。」
そう言って頭をすぐになでてくる顕嵐。
お兄ちゃんもなにかにつけてよく頭をなでてくる。
こんな時にまでお兄ちゃんが出てくるなんて不覚。
私の手を握って歩き出す顕嵐。
視線を上に向けると鼻筋がツンと通ったかっこよすぎる横顔。
鼻ぺちゃなお兄ちゃんとは全然違う。
まぁそんな私にも鼻ぺちゃDNAは完全に流れてる。
なんでこんな私と付き合ってるんだろうって思うほど不思議。
彼氏がイケメンって幸せだなって思ってると、自然と目が合う。
ニコって顕嵐が笑ってくれたから、一気に幸せになった。
それから授業を受けて、テラスでランチしてデート。
来週旅行に行くために買い物、先に顕嵐が好きなブランドのお店に来た。
「試着してきていい？」
「うん、ここで座って待ってる。」
メンズショップだから暇でソファに座る。
するとお店のドアが開いて、カジュアルファッションの人が入って来た。
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作者名：kiki. | 作成日時：2019年3月9日 21時
