Look at Me #01 (ページ40)

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13 わかりきった告白 [Side Kaito] ページ40

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「風邪ひいちゃうから中に入ろっか。」

もう一度だけぎゅっと抱きしめて、腕から解放する。
顔をあげはしないけど小さな声で返事をするほしちゃん。

優しく腕をひいて、さっき顕嵐と話してた場所に戻るとスポーツタオルとジャージが置いてあった。
折り畳み傘を畳んで、立ち尽くすほしちゃんの頭からタオルをかけて、ジャージを肩からかけてあげる。

「ちゃかちゃんありがと。」

「見つかってよかった。」

「なんでわかったの？」

「んーそれは秘密。
　落ち着いたらLINEして。」

そう言って踊り場からの階段を降りる。

「ちゃかちゃん。」

「ん？」

「顕嵐がね･･･どうしようもなく好きなの。」

「知ってる。」

「好きって言ってくれて嬉しいけど･･･でもね。」

「ほしちゃん、わかってるから。」

「ちゃかちゃん。」

「大丈夫、わかってるから。
　ほしちゃんも･･･ちゃんと言わないと伝わらないよ。」

かっこつけたくて、振り向けなかった。
情けない、顕嵐より大事にするなんて無理だ。

2人は知らない、お互いがお互いを大事にしてるか。
自然すぎて気づかないなんて幸せだと思う。

ほしちゃんを見つけたのは顕嵐なんて言わなくていいよね。
こんなずるしたって、俺の気持ちは伝わらないに実を結ばないから。

5時間目終了のチャイムと共に教室へと戻る。
顕嵐が突っ伏している机に屋上のカギを置くと、それに気づいて顔をあげる。

「居た？」

「タオルとジャージ渡しておいた。」

「おう。」

そう言ってまた突っ伏する顕嵐。
掛ける言葉が見つからず、6時間目の授業を受ける。

ノートを取りながら、さっきの光景がフラッシュバックして。
溢れそうな感情を隠すために、必死に袖で涙を拭った。

部活が終わって教室に来たら、カバンが無くて帰ったことがわかって安心した。