Look at Me #01 (ページ31)

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「A。」

「…。」

「今朝はごめん。マジで言いすぎた。」

「わたしもごめんね。」

「初日は行けないけど別の日に絶対行く。」

「ほんとに？」

「前売り買ったし、俺が行きたいって言ったし。ね？」

「うん。」

Aがやっと笑った。
嬉しくて重めの前髪をぽんぽんとする。
安心したのか、宮近へのイライラも収まった。

「ちゃかちゃんにも謝って？」

「うん。宮近今朝はごめん。」

「いいよ。2人が仲直りしてくれたら。」

「まー俺ら双子だし、たまに喧嘩するよ。」

「でも、もうしたくない。」

「だな。」

部活に誘ったけどAはバイトみたいで一緒に教室を出た。
彼女の教室を通過しそうになったところを引き止められる。

「顕嵐っ！置いてかないでよ。」

「わりぃ。
　話に夢中になってた。」

「わたしバイト行くね。」

そう言って玄関に行こうとするAの腕を引っ張る。
チャンスは今しかない。

「理子ちゃん。俺の親友のA。」

「知ってるよ、どうしたの？」

「いや紹介してなかったなって。」

「私も知ってるから大丈夫だよ。」

「彼女の理子ちゃん。A仲良くしてやってね。」

「うん。」

「Aちゃんって呼んでもいい？」

「なんでも…大丈夫。」

Aのことちゃんと紹介出来た。
2人が顔見知りになれば、誤解もされない。
理子ちゃんだって安心する。

「顕嵐もう行くね、バイトの時間あるから。」

「頑張れよー。」

廊下を走って行くAを彼女と見送る。

「私たちも部活急がなきゃ。」

「あっやべ。行くぞ。」

彼女の右手を引いて廊下を走る。
青春真っ只中ってこういうことなのかな。