Look at Me #01 (ページ19)

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06 動かざるもの恋愛するべからず [Side Yuta.J] ページ19

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4時間目保健室でサボって、そのまま食堂に向かう。
玄樹か岸くん食堂に居ないかなと思いながら、食券を買って見渡しながら空いてる席を探す。

ほしちゃんがひとりで冷やしうどんを食べてるのが目に入った。
いつも座る顕嵐の席は空いていて隣には誰もいない。

「ほーしちゃん。」

「あっジンちゃん。」

「顕嵐は？」

「今日、佐伯さんに告白するんだって。」

「そっか。」

「だから１人なの。
　私友達居ないから。」

「ぼっちなら誘ってよ。」

「たまには1人もいいかなって思っただけ。」

12時半になってるのに、ほしちゃんの前にあるうどんはたくさん残っていて箸が進まないみたいだった。
俺はラーメンを横で食べながら、なんとなく“話しちゃいけない空気”を感じ取っていた。

「ジンちゃん、5時間目なんの授業？」

「理科だからさぼり。」

「女の子と約束してるの？」

「んー特には。俺だっていつも女の子と居るわけじゃないよ。」

「そっか。」

「ちょっとやめてよー人を遊び人みたいにー。」

「だって、実際遊んでるでしょ？」

「まー否定はできないかなっ！」

くすりとも笑わないほしちゃんは全然食欲がないみたい。
やっぱり箸が進まないまま食堂からは、ひとりまたひとりと生徒が教室に戻っていく。

いくらも食べてないうどんを持って食器を下げにいく。
俺も急いで最後の麺をすすってスープで流し込んだ。

「星さん体調悪いの？」

「うん。ちょっとだけ寝不足。」

「お肌にも悪いから今日は早く寝なさいよ。」

「はい。明日また食べに来るね。」

食堂のおばちゃんと会話をしている横からラーメンの器を渡してほしちゃんの背中を追う。

すると突然振り返ったほしちゃんは少しだけ悲しそうな顔をしていた。