Look at Me #01 (ページ11)

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04 好きな人の好きな人 [Side You] ページ11

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「部活終わるまで待ってて。」

「うん。」

「スタバで本読んでる？」

「体育館行っても邪魔じゃないかな。」

「いつもんとこ座って見てろよ。」

HRが終わってバイトの無い日は部活に誘ってくれる。
バスケで汗を流す顕嵐はいつもよりかっこいい。

体育館履きに下駄箱で履き替えて、舞台にあがる階段に座る。
これが私の定位置。

「A。これ持ってて。」

ジャージを投げてくるのもいつものことで、それを受け取って畳み膝の上に置く。

「ほしちゃーん！俺のも畳んでー。」

「ジンはその辺に投げとけよ。」

「いいじゃーん。ほしちゃん畳んでおいて。」

そう言ってジンちゃんは優しく私にジャージを投げてくる。
それを受け取り畳んで膝の上に置くと、顕嵐がこっちに向かって来た。

「ん？」

「タオル持ってて。」

「いいよ。」

ジンちゃんのジャージの上にタオルを置いて満足そうにコートに戻って準備運動を始める。
謎の行動に意味があるのかはわからないけど、受け止めることにしてる。

私には意味がなくても、きっと顕嵐にはあると思うから。

「ちょっと外ランニングしてくる。」

準備運動が終わって体育館周りをランニングする時には、列の一番最後を走って私に声をかけて頭をポンとしていく。
顕嵐はいつだって、私を気にかけてくれる。

そんな優しさもくれなくなっちゃうんだ。

「そこ荷物置くからどいてもらってもいい？」

「あっすいません。」

「見学するなら、コートの端っこにしてくれる？」

「ごめんなさい。」

きゅっと縛ったポニーテールに人形みたいなきれいな顔。
顕嵐が好きな人だってことは嫌でもすぐに頭が理解した。
ここで見学していると、チア部に目を奪われているバスケ部とバレー部の光景はいつものこと。

この前まで気にならなかったのにな。
細く長い手足で華麗に踊る彼女と運動神経の悪いどんくさい私じゃかないっこない。

「A。なんでそんなとこ座ってんの？」

「チアの子たち階段荷物置くって言うから避けたの。」

「冷たいからタオル敷いて座っときな。」

私のところに来た顕嵐は、そう言ってドリブルしながらアップしにコートに入っていく。
ちゃかちゃんもジンちゃんもゆーたんもバスケ部。

顕嵐のシュート率の高さは去年卒業して行ったしめ先輩のお墨付き。
だって部活が終わっても遅くまで公園で練習してる。

そんな努力家な顕嵐のことやっぱり好きだなって思う。