コンビニ店員とお姉さん / Fuma.K ページ22
22時〜翌5時が俺のメインシフト。
駅と閑静な住宅街の間になって、それなりに人も多い。
時給1300円、大学生の俺にとってはいい小遣い稼ぎ。
深夜のコンビニは暇じゃない。
商品の検品・陳列・整理整頓、ベテランスタッフだから発注も。
掃除はもちろんフライヤーとかおでんの機械の掃除。
「お疲れー風磨くん。」
「うぃっす。」
どっかで働くお姉さん、年齢は知らない。
オフィスカジュアルに身を包んで凛とした素敵な女性。
「本数多くない？」
「明日は予定のない土曜日だからね。」
「そっか、今日もう金曜日か。」
「そうそう、だからおでんもお願いする。」
「はいよ。」
カゴには500ml缶ビールが4本が放り込まれる音。
チューハイが2本、おつまみがいくつか入ってる。
こうしてキレイなお姉さんの意外な一面を知れることもある。
おにぎりの棚を整理しながら、お姉さんが背中を通る前にレジへ。
「たまごとちくわぶと…。」
「しらたきとこんにゃくだろ？」
「さっすが、風磨ちゃん。」
「今日タバコは？」
「2つお願いします。」
おでんをすべてカップに入れて、大量にからしを入れる。
タバコをスキャンして画面の承認ボタンまで押せばお姉さんはニコッとする。
「就活はどう？」
「んーあんまり考えてない。」
「うちに来ない？」
「お姉さんなにしてんだっけ。」
「ん？商社、ふつーの商社。」
「商社かー。」
「商社マンモテるらしいよー。」
「そうなんだ。」
「風磨くんには必要ないかもだけどね。」
「まぁそうだよね。」
「ふふ、じゃあ朝まで頑張ってね。」
「言われなくても。」
コツコツと響くヒールの音、いいリズムで気持ちがいい。
おっさんみたいな袋の中身で外見はキャリアウーマン。
あの人は毎日幸せなんだろうなって、ぼんやり思った。
将来どうしようかなって考えながら働いたのは初めてだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ジャニーズ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kiki | 作成日時：2018年10月1日 16時
