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冬の帰り道 / Tatsuya.F ページ18

街中にあふれるクリスマスソングは誰のためにあるのか。


イルミネーションを見る恋人たちのためにあるんだろうか。

今わかってるのは、残業終わりの俺のためでは無いってこと。

呼び出された居酒屋もBGMは街中と同じ。

同僚と飲む人、友達と飲む人、恋人と飲む人。

俺はこれからたぶん友達と呼ばれる人と飲むわけで。

居酒屋の一番奥、座敷の席にビールジョッキを傾ける美人。

視線が合った瞬間ジョッキを勢いよくテーブルに置いて手を振る。



「ふっかー!!!!!」



店内に響く声に、小さく“すいません”と言いながら席まで少し早歩き。


「店長ービールお願いしますー。」

「はいよー。」


気のいいおやっさんに謝罪の意味を込めて、会釈をし靴を脱いで座敷へあがる。

コートを脱げば、立ち上がったAがそれを取ってハンガーに掛けてくれた。
気の利くところは学生時代から変わってない。


「残業お疲れぇ!」

「テンション高いね、ずいぶんと。」

「1年頑張って来た企画のすべてが終わったのです!」

「あーそんなこと言ってたっけ?」

「てか!ふっかとそれ分かち合いたかったんですけど!」

「俺と?なんで?」

「うーん…なんかふっかだった!それだけ!」

「そうだな。」

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作者名:kiki | 作成日時:2018年10月1日 16時

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