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店主待ち ページ5

あくる日の夕方。

マウント深山商店街の上空はすっかりオレンジ色に染まっていた。
町内スピーカーから流れる「夕焼け小焼け」が商店街を包む中、Aは八百屋に訪れていた。

「―それでね、あたしこう言い返してやったの、『文句言うなら出ていきなさい、くそオヤジ!』って!」
「あらま、とうとう言っちゃったんですか。」

野菜を袋に入れながら力説する店の奥さんに、柔らかに笑ってAは相槌を打つ。

―商店街ほとんどの人々と顔見知りで仲のいいAは、買い物に出ると大概、こんな風に会う人会う人と話が弾んでしまう。

人のいい彼女は相手の気が済むまで話に付き合うので、話が終わったら商店街の店がほとんど閉まりかけていた、というのはAにとってはよくある話だった。

「あっはっは、それは面白い話だ…。おや、もうこんな時間じゃないですか。」
「あらホント!やあねぇ、ずっと店先で話し込んじゃって!」
「ほんとですね〜。…じゃあ、今日はこの辺でお開きにしましょうか。」
「そうね。また今度、『柘榴』に寄るわね!」
「はーい、お待ちしてます!」

笑顔で手を振った『柘榴』店主は、女性が店内に戻ったのを確認して自分の店へと帰路をたどる。

『柘榴』は建物の一階にあり、Aは自分の店の上である二階に住んでいる。
店を譲ってもらう際に二階が空いていため、「ついでだ」と先代が建物ごと譲渡してくれたのだ。

「あの時はほんとにびっくりしたなー。
 いきなり『店を頼む』って言われて…ほんと懐か…ん?」

懐古に浸っていたAの歩みを止めたのは、ちょうど見えてきた自分の店の、
ドアに寄りかかっている見覚えのある人影。

「あれって…もしか、しなくても…」

「…む、遅いぞA‼いつまで待たせる気だ!」

「…ギルガメッシュさんですね、こんにちは……
 …え、なんで?」

Aが一瞬不審者ではないかと疑ってしまった人影は、店の常連であるギルガメッシュその人。

今日は店、定休日ですけど…と不思議そうな顔をする店主に、常連は「そうではない」と言った。

「じゃあどうしてウチに…?」

ニヤリ、口角を上げるギルガメッシュに一層戸惑いを隠せないAは、たまらず首を傾げていた。

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あめ(プロフ) - めちゃくちゃ続き気になります、、、!!!!また読めるときを楽しみにしています! (2020年3月24日 0時) (レス) id: 234461cd72 (このIDを非表示/違反報告)
クミコさん - ねぇっ、ちょっ!気になる!!イケメンはどこまでもイケメンだなぁ!!おい!!ギルよ!!更新欲しいです。待ってます (2020年3月6日 0時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - アルっさんさん» 外道神父一発で変換出てこなくて困りますね…!(笑)有難う御座います、お互い頑張りましょう。(o^―^o)カニファンが混じったのは…ギルギルマシンのせいです…(言い訳) (2019年1月17日 21時) (レス) id: 8578abe528 (このIDを非表示/違反報告)
アルっさん(プロフ) - 若干のカニファン時空を感じます…!しゅき!(挨拶)因みに外道神父は綺麗でなく綺礼ですよう。更新頑張ってくださいまし。私も、頑張って書くから。 (2019年1月17日 9時) (レス) id: e853ddccde (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - お褒めの言葉有難うございます(土下座)思いつきの作品ですがギル様への愛は込めさせていただいております!伝わったようで何よりです…! (2019年1月14日 22時) (レス) id: 8578abe528 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki x他1人 | 作成日時:2018年12月29日 19時

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