【Fate】喫茶『柘榴』へようこそ【ギルガメッシュ】(ばっかり)

高笑い王 ページ3

「今日のはどうですか？
　隠し味にクリームの中にちょこっと蜂蜜をたらしてみたんですけど」

一口食べたのを見計らって、Aはギルガメッシュに感想を聞く。

彼女は、こうやってギルガメッシュに日替わりケーキの感想を聞くのを日常の楽しみとしている。

知っての通り、彼の辞書にお世辞という言葉は存在しない。
が、逆に言えばそれは客の正直な感想であり、なおかつ舌の肥えているギルガメッシュは的確なアドバイスをくれるため、Aにとって彼は大切なお得意様なのだ。

たとえそれがとても喧しい傍若無人な王様だったとしても、だ。

「…む、いけるではないか。」
「お、ほんとですか」

単調な返答だったが、Aの顔は見る間に緩んでいく。嬉しそうなAの顔を一瞥し、ギルガメッシュはさらに続ける。

「蜂蜜と聞いてどこまで甘くするのかと思ったが、ブルーベリーで間に合うモノなのだな」
「意外とさっぱりでしょう？」

だがまだまだだな、とAのドヤ顔にかぶせるように、ギルガメッシュはつらつらと改善点を述べた。

「…とまあ、大体こんな所か。
　…フ、我がここまでするのは貴様だけだぞ、咽び泣いて喜ぶがいい！」

「ひょえ、メモが追い付かない…あ、有難う御座いますめっちゃ感謝してます」
「雑種に余る光栄すぎて感謝の言葉が棒読みになっておるが、
　まあ許す！我は寛大な王だからな！！」

フハハハハ、と客の注目を一身に受けながら高笑いをする寛大な王。

幸い、今いる客はほとんどが常連、この王様のおおきな声には慣れている。
客の視線に気づいたAは苦笑しながらそちらに向かって頭を下げた。

「しかし…このブルーベリーの青を見ていると、あれだな、セイバーを思い出すな」
「セイバー…もしかしてその人、金髪で青い目の外人さんですか？」

首を傾げ尋ねるAに、知っているのか、と途端に目を輝かせる王。

セイバーさん逃げて、超逃げて→←常連は金ぴか。

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