想定外 ページ15
目の前の男と、重ねている。
彼を。
「…どうしてそう思ったの？」
Aはギルガメッシュの言葉を否定も、肯定もせず、ただ「何故か」と問うた。
柔らかなほほえみで、絶対零度の赤い瞳を見つめて。
「先ほど、我を『大切な人』と呼称したな。」
「うん」
「貴様は客との会話で先代――元のマスターの話題になれば、
そやつを『先代』、あるいは『大切な人』と呼んでいる」
それが理由の一つだ、と常連は言った。
「もう一つは？」
彼にしては弱すぎる決め手だ。
そう思った店主は、考えるより早くもう一つの答えを求めていた。
「そう急くな。物欲しそうな目で見ても、結果は変わらんぞ。」
冷たく無慈悲な赤い瞳が、少しだけ細められた。心なしか口角も上がっている。
男が目覚めて初めて見せた笑みに、Aは驚き、そして安心した。
「…貴方もそんな風に笑うんですね。」
「む、何か言ったか」
「ううん、独り言。それより、二つ目は何？」
「――瞳だ」
ひとみ。
「誰？」
「たわけ、人名ではないわ。
目だ、目。――『大切な人』とやらを語る際の貴様のその瞳は、
我を見る目と同じものだ。」
――その眼は、様々入り混じっていた。
羨望、敬愛、慈愛、好意…
好ましく思う感情はあれど、負のものは無い。
そのすべてを読み取り、透かし観た王は宣告する。
「――我は貴様の『大切な人』ではない」
「『大切な人』ですよ。」
言葉を遮られた深紅の瞳が、おおきく見開かれる。
Aは依然、笑みを絶やさない。
――貴方が、ギルガメッシュが好きなんですから。
「…驚いたぞ。よもや、女を知り尽くしたこの我の検討が外れるとはな。」
「ああ、『予想が外れた』ことに驚くんだ…」
ここは突然の告白に驚いてほしかった、とは本人談。
「では我を助けたのは、」
「…死んじゃったら結婚はおろか、告白すらできないじゃない。
まあ、その反応だと結果は目に見えてるけど…。」
はあ、と溜息を吐いてAは肩を落とす。
「伝えられただけ良いか…。でも初恋が失恋とか普通に悲しい…」
「…誰が貴様を振ると？」
「――へ？」
おかしな声と共に、落とした視線を再度上げるA。
すると、熱が伝わりそうなほどの至近距離に、あの整った顔が。
絡み合った、赤と黒。
「―――愛している」
最大の想定外は、最大の難客の唇より紡がれる。
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あめ(プロフ) - めちゃくちゃ続き気になります、、、！！！！また読めるときを楽しみにしています！ (2020年3月24日 0時) (
レス) id: 234461cd72 (このIDを非表示/違反報告)
クミコさん - ねぇっ、ちょっ！気になる！！イケメンはどこまでもイケメンだなぁ！！おい！！ギルよ！！更新欲しいです。待ってます (2020年3月6日 0時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - アルっさんさん» 外道神父一発で変換出てこなくて困りますね…！(笑)有難う御座います、お互い頑張りましょう。(o^―^o)カニファンが混じったのは…ギルギルマシンのせいです…(言い訳) (2019年1月17日 21時) (レス) id: 8578abe528 (このIDを非表示/違反報告)
アルっさん(プロフ) - 若干のカニファン時空を感じます…！しゅき！(挨拶)因みに外道神父は綺麗でなく綺礼ですよう。更新頑張ってくださいまし。私も、頑張って書くから。 (2019年1月17日 9時) (レス) id: e853ddccde (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - お褒めの言葉有難うございます(土下座)思いつきの作品ですがギル様への愛は込めさせていただいております！伝わったようで何よりです…！ (2019年1月14日 22時) (レス) id: 8578abe528 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki x他1人 | 作成日時：2018年12月29日 19時
