常連は金ぴか。 ページ2
「ありがとうございましたー。」
女の声と共にドアが閉まり、男性客が二人出て行った。
ここはマウント深山商店街にある喫茶店、名前を『柘榴』といい、八十年近く地元民に愛されてここまでやってきた小さな店だ。
現在の店主、阪東Aは先代からの常連だった女性で、優しく穏やかな性格と顔も広いことから、近隣住民の相談役となることもしばしば。
「…あ、ミルクそろそろ無くなりそうだな〜…
店閉めたら買いに行かないと。」
棚の下をのぞきながら唸る姿は、その童顔を除いても随分愛らしい。
頭の中で他に足りないもの、欲しかったものは無かったかと悩みながら立ち上がったAは、カウンターを見て「ぎゃあ⁉」とみっともない声を上げた。
「フ、ハハハ!いつ来ても飽きぬ反応をするな、A!」
「い、いつの間に来てたんですか、ギルガメッシュさん…」
びっくりしました、とへなへなと床にへたり込むAを引き続き面白そうに笑って眺める、ギルガメッシュ。
彼はこの店の常連で、一日十食限定の手作り日替わりケーキを食べるという名目でほぼ毎日Aと話しに来る、通称『喧しい王様』である。
何時もは言峰綺礼の部屋でワインボトルを片っ端から開けているこの男、何故か
「今日もいつものですか?」
依然笑い続けるギルガメッシュを睨みながら立ち上がったAは、拗ねたような声音でぶっきらぼうに注文を取る。元凶のギルガメッシュはそれに対し声を震わせながら「勿論だ」と言った。
「…貴方のだけ麻婆豆腐ケーキにしますよ」
「やめよ。真顔で冷蔵庫から豆腐を出すでない。
というか貴様、何故我がアレが嫌いだと…はっ、言峰だな?言峰の入れ知恵だな⁉」
「麻婆豆腐」の単語を聞いて、途端にギルガメッシュの顔は青くなる。
カウンター越しに調理の邪魔をしようとする彼を見て、Aはひとつため息をついてから、
「冗談です。今日は普通にブルーベリーチーズケーキなので安心してください。」
と一言。
「…そうか。そうかそうか、そうか!
Aの作るケーキはうまいものな、麻婆のようなゲテモノなぞ出すはずが無いわ!」
「(…一応○美屋の麻婆豆腐の素はあるけど…
嬉しそうだから言わないでおこう)」
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あめ(プロフ) - めちゃくちゃ続き気になります、、、!!!!また読めるときを楽しみにしています! (2020年3月24日 0時) (レス) id: 234461cd72 (このIDを非表示/違反報告)
クミコさん - ねぇっ、ちょっ!気になる!!イケメンはどこまでもイケメンだなぁ!!おい!!ギルよ!!更新欲しいです。待ってます (2020年3月6日 0時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - アルっさんさん» 外道神父一発で変換出てこなくて困りますね…!(笑)有難う御座います、お互い頑張りましょう。(o^―^o)カニファンが混じったのは…ギルギルマシンのせいです…(言い訳) (2019年1月17日 21時) (レス) id: 8578abe528 (このIDを非表示/違反報告)
アルっさん(プロフ) - 若干のカニファン時空を感じます…!しゅき!(挨拶)因みに外道神父は綺麗でなく綺礼ですよう。更新頑張ってくださいまし。私も、頑張って書くから。 (2019年1月17日 9時) (レス) id: e853ddccde (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - お褒めの言葉有難うございます(土下座)思いつきの作品ですがギル様への愛は込めさせていただいております!伝わったようで何よりです…! (2019年1月14日 22時) (レス) id: 8578abe528 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki x他1人 | 作成日時:2018年12月29日 19時