この恋、難攻不落につき。2 (ページ41)

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89話ページ41

…

放課後。

HRが終わってざわざわしだす教室に響いたのは、

照史「あっ、おった！！」

梅雨が明けて、毎日炎天下の中練習をしているせいか前に見た時より黒くなってる照史と

崇裕「A！！」

相変わらずのなで肩が前に見た時より更になでている気がする崇兄の声で。

え、何事？

珍しく真面目そうな表情で教室に入ってきて私の目の前までやってきた照史は

照史「今から放課後デートすんで。」

眉間にしわを寄せて目力強く私を睨みつけたあと、手を引いて教室を出ようとする。

「えっ、ちょ、何！？」

放課後デートなんて聞いてないけど！？

崇裕「任せとき、プランはもう練ってあるから。」

崇兄がカッコつけるときによくやる、目を自力で二重にしてキメ顔で見つめてくるから笑ってしまう。

「なに？怖いんやけど。笑」

とりあえず言われるがまま、この無駄にカッコつけた2人に付いて行くことにした。

大した会話も交わさずに着いた先は……

「…なんでショッピングモール？」

駅前のショッピングモール。

ここら辺じゃ1番大きなお店だ。

早速中に入ると、この2人には似合わなすぎる女の子向けの可愛いアパレルショップに入って行く。

「ちょっと、さっきから全然喋らんしどうしたん？」

もう2人が怖いよ。

照史「安心せえ、こっちは全部リサーチ済みや。」

崇裕「ここAの好きなブランドなんやろ？ほら、欲しいもん好きなだけ持ってこい。」

………んん？

「私まだ誕生日やないけど…」

照史「ええやん、たまには買い物してストレス発散！！」

崇裕「そして美味しいもんたくさん食って寝る！！」

照史「それから1番大事なのは運動！お前帰宅部やからあかんねん」

崇裕「今からバッティングセンターにでも行くか！」

……………なんかわかってきた気がするぞ。

「要するに2人は私を慰めようとしてくれてるん？」

わかりやすくギクッと反応した2人。

いやコントか。

照史「別にそういうわけじゃ…」

崇裕「ただの放課後デートやって！」

ふーん。

そういうことね。

なんでこの2人が私が落ち込んでたこと知ってるんだ、って思ったけど

そういえば私、淳太に助けを求めて泣きながら3年生の教室に行ったんだった。

今思い出すと恥ずかしすぎる……。

…