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87話 ページ39









もうずっと、大毅から目が離せない。


今までは合うことのなかった視線が


時々、合うようになったから。



すぐ逸らされる時もあれば


少しだけ合わさったままの時も


ちょっと照れ臭そうに俯く時も





これ以上惚れさせて、どうするの。


責任なんて取れないくせに……。






隣の由紀は、そんな彼の様子が不思議なようで


ちらちらと彼の表情を伺ったり


その視線の先の私に、気づいたり……。





今まで、大毅の視線はいつも由紀だけに向けられていたのに


どうして急に……?



だけどその理由を知りたいような、知りたくないような。






何にせよ、今日学校に来てよかった、と思いながらお昼のチャイムを聞きお弁当を鞄から出そうとしていると






望「…………A、」






眉を下げ、子犬のような顔で私を見つめている彼。




そう言えば、さっきは大毅と話したあとチャイムが鳴っちゃったから望とは話せていないんだった。


授業中もずっと私に視線を送ってくれてたのに

大毅に夢中で、反応できなくてごめんね。





「どうしたん?」



極力笑顔で、上目遣いに彼を見上げる。




望「風邪、治ったんやね。…ほんまはLINEも電話もしたんやけど、返ってこおへんからめっちゃ心配した。けど淳太に聞いたら風邪やって言われて……

月曜の時から、様子おかしいのわかってたのに気づいてあげられんくてごめん…。」




望が謝ることじゃないのに


本当に申し訳なさそうに潤んだ目で見つめてくるから


なんかほんとに、可愛いなぁって。




気づいたら、彼の頭をぽんぽんしていた。



また、“子供扱いせんといて!”って怒るかと思ったけど

嬉しそうに目を細めるから

私も、余計に頬が緩む。



私が勝手に勘違いして落ち込んで、サボっただけなのに

みんなに心配かけたみたいで申し訳ない。



淳太がみんなや先生に風邪だと言ってくれたんだろう。


あとでちゃんとお礼言おう…。




まだ何か言いたげな望に視線を取られていると





流星「A!」




流星が遅い、とでも言いたげな表情で見てくるから


みんなが集まっている席に望と向かう。




大毅と由紀と望と私、


それから流星。



もう恒例になりつつあるメンバーで


お昼を過ごした。









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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時

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