82話 ページ34
…
「なんでおるん……」
予想していなかった人物の登場に、さっきまでの眠気が一気に吹き飛んでしまった。
流星「電話したのに出えへんから。」
さっきのバイブは、流星だったんだ。
流星「一応、お見舞いも持ってきたんやで。もしかしたらほんまに風邪かもしれんと思って。……けど、やっぱりただのサボりやったみたいやな。」
流星は私の顔を見て少しホッとしたような表情をしてから
ゼリーやら果物やらお菓子やらを袋から取り出しテーブルに並べた。
流星「てことで、これは俺がいただくわ。」
勝手に家に上がり込んできて
勝手に部屋に入ってきて
勝手にお菓子を食べ始めて………
一体何をしに来たんや、この男は。
流星「いきなり音信不通になるから、みんな心配してんで。」
食べながら喋るから、口からぽろぽろこぼしている。
汚いなぁ…それ掃除するの誰やと思ってるん？
流星「まぁ俺は大体予想できてたんやけど、望と智洋が毎日うるさくて。淳太にAのこと聞いたらなぜか機嫌悪くするし。ほんま大変やったんやで？」
それは、まぁ……
申し訳ないとは思ってるけど。
流星「せやから様子見に行ってやろ、思て。どうせずっと家にいても暇やったやろ？
それに新しい情報も仕入れたから、Aに報告せなな〜と思って。淳太にお見舞い行くとか適当に言ったら鍵くれたわ。」
ドヤ顔で、自分で買ってきたみかんゼリーを頬張る流星。
新しい情報…は、まあ気になるけど
勝手に鍵渡したりしちゃダメだよ、淳太。
こんなに厄介な相手ならなおさら。
お菓子ボリボリ床に落とすし
私が大好きなみかんゼリーも全部食べちゃうし。
早く帰ってくれへんかな…。
淳太、生徒会何時に終わるんやろ……
さっきから私が何も言わずにいると、痺れを切らしたのかベッドまでやって来て隣に座る流星。
流星「……俺も、心配したんやで。俺の時もAにたくさん慰められたし、そばにいてもらったから、今度は俺の番やって。
Aが学校に来なくなった理由はわかっとったから、何とか大毅とあの子の情報聞き出そうとしたけど上手くいかんくて…。
けど、今日やっと全部知ることができたから、Aに報告しに来てん。」
聞きたいやろ？
どこか得意げで、楽しそうな彼に
速まる鼓動を感じながら、頷いた。
…
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作者名：ホワイトモカ x他1人 | 作成日時：2019年9月27日 0時
