この恋、難攻不落につき。2 (ページ33)

今日:13 hit、昨日:30 hit、合計:79,831 hit

81話ページ33

…

最近、浅い眠りを繰り返している。

深く眠ることができない。

色々考え込みすぎなんだって

自分でもわかってる。

今週に入って、学校をサボるのは今日で4日目。

自分でもいくらなんでも落ち込みすぎだってわかってるけど

どうしても行けない。

学校であの2人を見るのが怖い。

淳太は、毎日目の赤い私を見て

何も言わずに学校を休ませてくれる。

さすがに、もうこれ以上淳太にも心配かけたくないのに。

だけど私がここまで落ち込むのにも訳がある。

だって、よく考えてみれば

私の知っている限り大毅に彼女ができるのは初めてだ。

大毅は昔からモテてはいたけど

恋愛には鈍感な方だったし

中学の後半くらいから由紀のことを好きになると

由紀以外見えないって感じだったし。

由紀のことを好きなんだと気づいた時も

辛かったし、悲しかったし、たくさん泣いたけど

由紀が、これっぽっちも大毅のことを見ていなかったのが救いだった。

だから、彼と両想いの

しかも後輩で、最近知り合ったばかりの女が現れて

一気にどん底に突き落とされた気分だ……。

もう私にはどうしようもないんだって思い知らされる。

大毅が、そこらへんの簡単な男と一緒なら

彼女から奪うことも容易かっただろうけど

私に一切興味を示さない彼だから

そんなことはまずあり得ないだろう。

想いを伝える気はないと思ってたけど

何も言わずに終わってしまうのも辛い。

私が伝えたところで

何も変わらないんだろうけど。

あれからずっと食欲もなくて

1日中ベッドの中で病人みたいな生活を送っている。

ふと窓の外を見ればもう夕方。

また、1日が過ぎていってしまった。

今日はたしか金曜日。

来週も、まだ………

学校に行ける気がしない。

「はぁ…」

失恋で学校に行けなくなるなんて

どんだけメンタル弱いのよ。

本当に、自分が情けない……。

___ブーッブーッ

どこかでスマホのバイブが鳴る。

だけど月曜日から触っていないので、まだ誰からのメッセージも見ていない。

いつもより随分長く鳴っていたような気がしながら

また浅い眠りにつこうとした時、

ガチャ

玄関の開く音がした。

淳太が帰って来た………

ぼんやりした頭の中でそう理解したはずなのに

流星「おう、元気かサボリ魔。」

部屋に現れたのは、まさかの彼だった。

…