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59話 ページ11








淳太の顔があまりにも怖いから


流星に馬乗りになっていた体勢から慌てて立ち上がる。




淳太「ちょっとボードの進み具合見に行こう思ったら…なんでお前らは青まみれになっとんねん。後輩に迷惑かけたらあかんで。」



そう言われ、我に返って考えてみたら

私たち1年生にめちゃくちゃ迷惑かけてんじゃん。



恐る恐る振り返ると、苦笑いしてる田中さんたち。






「ごめんなさい…」


淳太「ええから、はよ洗っといで」





怒るときは怖いけど


やっぱり優しい淳太に抱きつきたい気持ちを抑えながら




流星と手洗い場に向かう。








「も〜〜、全然落ちひんし…」



いくら擦っても、シャツについたペンキも

顔についたペンキも落ちてくれない。





「ほんまに、流星のせいやからな!」


そう言って隣の流星を見ると




流星「いや、けど俺の方がやばいからな?」


顔の半分くらいが青くなっていて笑ってしまった。




「ぷっ。あはは!それはほんまにやばい!」


流星「……やっと笑った。」


「え?」


流星「さっきまで怖い顔しとったから。望とか大毅の方見て。」





…見られてたんだ。

もしかして、それで私を元気づけようとして?





流星「けど結果的によかったやん、みんなの注目集められて。望とか、めっちゃ怖い顔してこっち見とったで?」


「…どういうこと?」


流星「俺ら以外のみんなが仲良くしてて嫉妬したんやろ?せやから逆に俺らは俺らで仲良しアピールできてよかったやん。」






…そんな、私のモヤモヤした気持ちまで

流星にはお見通しだったってわけか。





流星「そんな、嫉妬しなくてもええと思うけど。今日の昼だって俺が来たことで望が不機嫌になってたから、ちょっと意地悪したろ、思ってAに笑いかけただけで怒って出て行っちゃったし。」




だから、あの時

私にあんな表情したんだ。




流星「ま、Aが大毅に名前呼ばれただけで顔赤なってんのが気に食わんかったっていうのもあるけど。」



「…あほっ!」





そんなとこ見られてたんだと思うと

急に恥ずかしくなってきた。






流星「せやから、大丈夫やって。そんなに由紀に嫉妬しなくても、望はまだお前のことめっちゃ好きやで。」




全身びしょ濡れになって

水も滴るいい男状態の彼が

不意にまたあの時と同じような

色っぽい顔で微笑むものだから








…少しだけドキッとしたのは、私だけの秘密にしておこう。









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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時

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