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97話 ページ49








淳太「おにぎりと唐揚げとミートボールと……こんなもんか?」



明日はいよいよサッカー部の大会。

照史にとっては、最後になるかもしれない大事な試合だ。




何だかんだ淳太も照史のこと大好きだから、明日のためにこうやってお弁当を作ってあげている。




淳太「なぁ、Aも手伝ってや?」


「ん〜……」



私ももちろん見に行くつもりだけど、

愛美ちゃんがいると思うと行く気が失せてしまう。



だけど照史も大毅も望も智洋も

明日のために頑張っていたことを知っているから

彼らの姿を見届けるためにも、見に行かなきゃ。





キッチンに行くと、大きなタッパーが3つも並んでいて

たくさんの具材が詰められていた。


何となく揚げ物ばかりな気もするけど。笑


きっと照史、喜ぶだろうなぁ。




「淳太がこんなにがんばって作ってくれて、照史喜ぶなぁ。」


淳太「だとええけど…。照史、体育祭の時にAの作ったおにぎりめっちゃ美味い言ってたから作ってあげて?」



え〜、絶対淳太が作った方が美味しいと思うけど…


とりあえず言われた通り、おにぎりを大量に作ってタッパーに詰め込む。



淳太「…なんか彩りがないな。」


そりゃ、茶色い揚げ物ばっかだからね。



淳太「やっぱ野菜ももっと入れるべきやったか…」


そう言って落ち込む淳太の肩を、ぽんっと叩く。




「いいこと思いついた!」


きっと照史、喜ぶはず。



タッパーの大半を占めていた茶色いデミグラスソースのハンバーグの上に

チーズやハムを切り取って文字を書いていく。




淳太「おぉ…なるほどな。」




私のアイデアに、淳太も笑顔になった。



明日、午前の試合に勝てば午後の試合に勝ち進むことができる。

その合間のお昼休憩に、このメッセージを送るって

めちゃくちゃいいアイデアじゃない?



照史、泣いちゃうかもなぁ。笑



みんなの喜ぶ顔を思い浮かべながら次々と文字を切り取っていく。





淳太「チーズで文字書くなんて、器用やなぁ」


隣の淳太も私の真似をするようにチーズやハムを文字の形に切り取ろうとするけど、上手くいかない。



一度やり始めたらどんどん作りたくなってしまって

結局お弁当が完成したのは夜中だった。



淳太「Aのおかげでめちゃくちゃカラフルになったし、メッセージつきでサプライズにもなるし、完璧やな。」




淳太と満足げに笑って


やっと、眠りについた。









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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時

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