この恋、難攻不落につき。2 (ページ4)

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52話ページ4

…

優太「藤井、…」

凛ちゃんの彼氏は、流星の気迫に押され

後退った。

流星「なぁ…今のほんまかって聞いてんねん」

優太「ちがっ…ちょ、落ち着けや」

凛ちゃんの彼氏と一緒にいた人たちが

あいつ、優勝した学校のエースだよな、とヒソヒソ話しているのが聞こえた。

流星「お前が…凛からバスケを奪ったんか。」

優太「ゔっ…お、おい、離せってっ…」

流星が彼氏さんの胸ぐらを掴んで、壁に追いやる。

流石にやばいと思って、2人の間に入る。

「流星！あかんって、やめて！」

だけど、流星には私なんか見えてなくて。

彼氏さんと一緒にいた2人が、慌ててどこかへ逃げて行くのが見えた。

流星「償えや……。凛に、謝れ。凛と、別れろ。お前に凛と付き合う資格なんかない。」

流星の手にどんどん力が込められていって

彼氏さんの首を絞めつける。

優太「ゔっ…あっ……」

「流星っ！！お願いやから…！こんなことしたら、流星までバスケできなくなるやろ！？」

必死に縋りついて言った私の言葉に、一瞬流星の力が緩んだ。

その隙に、流星から距離を取る彼氏さん。

苦しそうに倒れ込みながら、バケモノでも見るかのように流星を見上げる。

優太「おまっ…え…！頭っおか…しい！ゲホッゲホッ……お前には関係ないやろっ…」

その言葉に、また流星の表情が険しくなり

彼氏さんに馬乗りになって殴ろうとする。

「流星っ！あかんって…！！」

だけど、私が彼の力に勝てるわけなんかなくて。

ただ、ロボットの様に無表情で殴り続ける流星を

泣きながら見ていた。

先生「おいっ！…藤井！？何しとんねんお前、やめろって！！」

しばらくして、先生が来て。

遠くにあの2人組を見つけて、あの人たちが呼んだんだってわかった。

彼氏さんの顔はもうグチャグチャで

凛ちゃんが、泣きながら彼氏さんの名前を叫んでいた。

流星は、そのまま先生に連れて行かれて

気がつくと、隣には淳太がいた。

淳太「帰ろうか、A。」

「ちゃうねん…流星、悪くなくて……あの人が、」

淳太「おん、わかったから」

「バスケ…できなくなったらっ、流星…どうしよう……」

泣きすぎて、上手く説明できない。

なぁ、淳太

どうすればええの…？

…