43話 ページ44
…
智洋「ちょ、流星何してんねん!」
智洋がすぐに私に駆け寄って背中をさすってくれる。
智洋「もしAが怪我でもしたらっ…」
流星「智洋には関係あらへん。」
そう言うと流星は智洋を押しのけて私の前までやってくる。
ちょっと待って、なんでこんなにキレてんの?こいつ…
流星「放課後空けとけ言うたよな。何サッカー部の見学なんかしてるん。」
「今日は望と帰るって昨日から約束してたの!てか、空けとけって言ったって流星も部活やん!」
流星「今日はサボるつもりやったし。けどお前から返信なかったから…」
「ちょっと返信しなかったぐらいでそんな怒らんといてよ!なに、何かあったん!?」
流星が理由もなしにこんなに機嫌が悪くなるはずない。
もしかしたら、凛ちゃん絡みとか…
一瞬驚いた表情をした後、私から視線を逸らして俯いた流星。
こんな反応するってことはやっぱり…
「ねぇ、何があったか話して…」
そう言って流星の顔を覗き込もうとしたその時、
崇裕「流星!!何してんねんお前!」
知宙「っ…」
息を切らして走って来た崇兄と知宙の姿。
崇裕「もうすぐ試合なんわかっとるやろ!練習勝手に抜け出したりして…本気やないなら出るな!!」
「崇兄…」
こんなに怒ってる崇兄、初めて見た。
だけどそれだけ、崇兄は今度の試合に本気だってことだよね。
崇兄の最後の試合だし…
崇裕「聞いとるんかお前っ…!」
俯いて黙ったままの流星に掴みかかろうとする崇兄。
「崇兄やめてっ!!」
智洋「A!あかんって!!」
2人の間に入ろうとした私を智洋が引き止める。
グラウンドの目の前で大声で言い合いをしていたからか、サッカー部やテニス部の子たちが集まってきた。
望「Aっ…?ちょ、崇裕何してんねん!」
慌てて入ってきた望が崇兄と流星を引き離そうとする。
崇裕「何か言えや、流星…」
それでも黙ったままの流星。
一体、何があったの……
その時、校舎から出てくる淳太と凛ちゃんを見つけて
淳太と、目が合った。
…
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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年2月21日 20時