この恋、難攻不落につき。 (ページ40)

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39話ページ40

…

「せっかくやし、4人で食べへん？」

ちょうど望たちが座っていたのは4人席だったので

そう提案すると、隣で流星がクスッと笑った。

望「…俺は、ええよ。」

そう言うと思ってたけど。

「由紀は？ええかな？」

悪気なんかありません、って顔して

とびっきりの笑顔で言う。

由紀は顔を歪ませながらも

なんとか頷いてくれた。

「ありがとう！」

心底嬉しいって感じで微笑むと

望の頬が少し赤くなった。

自分たちが座っていた席に荷物や食べ物を取りに行く途中

さっきからニヤニヤしている流星を睨む。

「何？」

正直、ウザイねんけど。

流星「いや、必死やなぁって。」

ほんまに楽しんでるやん、こいつ…。

望たちの元に戻ると迷うことなく望の隣に腰を下ろした私。

また、流星がクスッと笑ったけど

もう気にしないことにした。

由紀の可愛く化粧された顔が

どんどん歪んでいくのを見て

顔がにやけそうになる。

あぁ、私って本当に性格悪いな。

「望は何頼んだん？」

望「ローストビーフ丼。」

「え、流星と同じやん！」

ほんま仲ええなぁ、なんて笑っていると

流星「俺ら気ぃ合うからな。女の趣味も。」

突然横から入ってきた流星の言葉に望が顔をしかめる。

ちょっと、何勝手に望挑発してるん？

流星を睨みながら足を蹴るけど

知らんぷりしてローストビーフ丼を食べ始める。

由紀「あ、えっと私…ママから電話きてたからかけ直してくるなぁ。」

居心地が悪くなったのか

そう言うと席を立った由紀。

由紀がいなくなると、俺トイレ行ってくるわなんて流星まで席を立った。

…なんや、協力してくれる気はあるみたいやな。

2人きりで少し気まずい空気が流れる。

無言でローストビーフ丼を食べ進める望を見て、思わず頭を撫でてしまった。

望「っ……なに？」

怒りと、嫉妬と、不安と……

色んな感情が混ざった彼の瞳に見つめられて

あー、何だか…………

「望、2人で抜け出さへん？」

望「…え？」

「…2人きりに、なりたい。」

私は、どうしても…

望を手放したくないみたいだ。

…