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38話 ページ39








ギリギリあの2人からは見えない位置に座ってそれぞれ好きな物を頼む。




流星「Aのそれ、何?」


「チーズ入りハンバーグ。」


流星「一口。」



あー、と口を開ける流星にハンバーグを一口分けてあげる。



流星「うまっ」


「流星のは?」


流星「ローストビーフ丼。食べる?」


「うん。」



あーん、と今度は流星が私に食べさせてくれる。



「美味しい!」


流星「やろ?」


自分が作ったわけでもないのに、ドヤ顔する流星に思わず笑みが溢れる。




あー、なんか私たち今

カップルっぽいなーなんて。





側から見たら、カップルに見えてるのかな?


って、どうでもいいこと考えながら望たちに視線を移すと






望「お前、めっちゃアホやんけ!」


由紀「もー!うるさいねんけど!」





楽しそうに笑い合う2人。

私たちより全然、カップルに見えて。





…私、何してるんだろ?


こんな休日に

ストーカーみたいなことして。





好きでもない男のために…?


こんなの、私らしくない。





「…アホらし。」



何だか急にここにいることが馬鹿らしく思えてきて


席を立ち帰ろうとする。





流星「ちょっ、A?どこ行くん!」



私を呼び止めた流星の声が思いのほか響いて…




背が高く、おまけにイケメンな彼に周りの人たちがみんな注目する。



当然、あの2人にも聞こえてしまって……






望「A?……っと、流星」



望が私の腕を掴む流星の手を見て顔を歪ませる。






もう、こうなったら


…どうでもいい。






「偶然やね!2人とも。何してたん?デート?」



私が嬉しそうに2人に近付くと






由紀「なんで、………」



由紀が心底驚いたように私を見つめる。




きっと、彼女は


こうならないために

私に邪魔されないように


わざわざあんな所まで望を呼び出して誘ったんだろうな。




けど残念やったね。


あんなところに私がいて、2人の会話を盗み聞きしてたなんて


想像もしなかっただろうな。






望「デートやない。…そっちは?」



望の言葉に由紀が顔を俯かせる。




流星「俺らはデート。な?A。」


いつのまにか私の隣に来ていた流星が私の肩に腕を置き引き寄せる。





望「っ………付き合って、るん?」



今にも消えてしまいそうな望の声。




「付き合ってへんよ?」



不安そうに私を見つめる彼に

優しく微笑む。



隣で私を睨む由紀を視界の隅に捉えながら。






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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年2月21日 20時

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