36話 ページ37
…
「ほんま、ありえん。」
さっきから私の機嫌は悪い。
流星「ええやん、水分補給は大事やで？」
それは隣で嬉しそうに新作の何とかフラペチーノを飲んでるこの男がマイペースすぎるせい。
「ギリギリ見失わんかったから良かったけど…見失ってたら流星のせいやで！？」
流星「大丈夫やって、俺望にどこ行くか聞いたもん。」
はぁ！？
それを先に言わんかい！！
さっき私がこの暑い中ダッシュで買いに行ってあげた意味って…
苛ついて流星の先を1人でずんずん歩いていると、
「わっ、」
流星「ごめんって、怒らんといて？」
腕を引かれ一気にその距離が近付く。
流星「これ、美味いからAも飲んでみ？」
そう言ってさっきまで口付けていたストローを私の目の前まで持ってくる。
ほんと、これだから学校一のプレイボーイは。
色んな女の子にこんなことしてるんでしょ？
だけど流星の怖いところは
それを天然でしてるってこと。
だから女の子はみんな勘違いしちゃうんだよ。
「…あまい。」
流星「ん、怒らせたお詫びにAにあげる。」
へー、優しいじゃん。
…って、
これ私が買ったやつだから！
「ってか、思ったより甘すぎて飲みたくなくなっただけやろ。」
流星「あ、バレた」
まったく、この男は。
流星「着いたで。」
私が呆れてため息をついているうちに、ショッピングモールに着いてしまったようだ。
中に入った瞬間、さらっと繋がれた右手。
「繋ぐ必要あるん？」
流星「カップルって設定やから。」
何だかノリ気な流星に
思わず笑ってしまう。
由紀「中は意外と寒いなぁ」
望「そんな薄着で来るからやろ。」
由紀「だって、今日暑いって天気予報で言ってたから…」
冷房が効きすぎた店内で寒がる由紀に、自分が着ていたカーディガンをかけてあげる望。
望「それ着とき。」
由紀「えっ、でものんちゃんが…」
望「俺は平気や。」
由紀、顔真っ赤だし。
…苛つくなぁ。
流星「嫉妬してる、やろ？」
楽しそうな流星の顔がムカつく。
「してへんし。」
あのくらいで嫉妬するような子供じゃない。
望は誰にでもああするだろうし
由紀だから、ってわけじゃない。
私のイライラの原因は、
由紀が幸せそうな顔をしているってこと。
…
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作者名：ホワイトモカ x他1人 | 作成日時：2019年2月21日 20時
