35話 ページ36
…
日曜日。
絶好のお出かけ日和に恵まれた私たちがやって来たのは、
「なぁ、なんで同じマンションに住んでるのにわざわざ駅前で待ち合わせなん？」
流星「知らん、あいつらに聞いて。」
沢山の人で賑わう駅前の噴水。
…から少し離れた建物の柱の陰。
「てか、なんで流星場所知ってるんよ。」
流星「望にさりげなーく聞き出した。俺天才やから」
…ほんと、呆れる。
「なんで付いて行く、とか言い出したん。私まで巻き込まんといてよ。」
流星「別に、Aは来なくても良かったんやで？けど来たってことは…気になるんやろ。」
図星、だけどさぁ…。
流星「取られたくないんやろ、由紀に………望を。」
そうだよ、私最低な女だから。
好きでもない男を、あの女に取られるのが嫌で
こんなことしてるんだよ。
冷ややかな流星の目が私を見つめる。
罵りたければ罵ればいい。
私は元からこういう人間だから。
流星「…俺も、そうやから。お前の気持ちがわかるから…だから協力してやるって言ってんの。」
さっきとは違い、切なそうな横顔。
流星も、
知宙が離れて行ったら…嫌だってこと？
「けど大会も近いのに、こんなことしてていいん？」
流星「今日は奇跡的にオフやったから。面白そうやしええよ。」
面白そうって…楽しんでるやん。
ま、私も逆の立場だったらそうなるだろうけど。
流星「あ、来た！」
流星の視線の先には可愛らしいワンピースに身を包んだ由紀
…と、まるでモデルのような出で立ちの望。
何よ、そんなに張り切っちゃってさ。
って………
「流星、それ変装してるつもり？」
流星「一応な。Aも、絶対目合わせたりしたらあかんで。」
2人が現れた途端サングラスをかけ出した流星。
全然変装になってないしむしろ流星丸出しって感じだけど…
サングラスをかけてもサマになるのが悔しい。
きっとこれからあの2人は
駅から近いショッピングモールにでも向かうのかな…
流星「なぁ、Aあれ。」
「え？」
流星「美味しそう。」
流星が指差す先には、ス◯バの看板…
え、何そのキラキラした目。
飲みたいの？え、この状況で？
流星「喉乾いたなぁ。今日暑いもんなぁ」
…はぁ。
なんてマイペースな人なの。
結局私が猛ダッシュで買いに行ってあげて
何とか2人を見失わずに済んだ。
…
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作者名：ホワイトモカ x他1人 | 作成日時：2019年2月21日 20時
