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27話 ページ28








「数学って、なんでこんなにダルいんやろうなぁ」


望「…A、またサボる気やろ。」


「えへ、バレた?」


休み時間、いつものように私の前の席の椅子に跨る望とお喋り。



「英語の後の数学とか、地獄でしかないんやけど。」


次の時間割に文句を言いつつ、サボることはもう決めている。


望はこう見えて授業はちゃんと出るタイプだから

そこは尊敬する。

見習おうとは思わないけど。



望「A、そろそろヤバない?単位とか大丈夫なん?」


「ん〜、まぁやばくなったら淳太に何とかしてもらう。」


望「ほんま、兄貴が生徒会長やからって…そのサボり癖は直らんな。」



望が呆れたところで、チャイムが鳴った。

私は先生が入って来る前にそそくさと教室を出て

人の少ない西校舎へと向かう。


ここは使われていない空き教室とかも多くてサボるのにはぴったりの場所。


ここも…確か流星に教えてもらった。





いつも私がサボる時に使う一番端の教室に向かうため廊下を歩いていると





ガラッ!!




と、いつかと同じように空き教室から知宙が出て来た。



「知宙…」


そう呟くと、驚いたように私の顔をパッと見て

また焦ったように駆けて行く。



知宙がいつも少し泣きそうな顔して出てくるのはなんでなんだろう。





私は躊躇いもなく彼女が出て来た教室のドアを開けた。





流星「何やねん、戻って来たって同じやで。はよ出てけや。」



知宙が戻って来たと思いそう言い捨てる流星。



この前と同じソファーに寝転がる彼に近付き

目を瞑ったままの彼に馬乗りになる。




流星「なっ……」


「ふぅん。出て行って欲しいん?」


流星「Aっ…!?」



驚く彼の耳元に顔を近付け

甘く囁く。



「私、わかっちゃった…流星の好きな人。」


流星「はっ…?」


その言葉が予想外だったのか、目を見開く流星。



その顔、最高…。




「なぁ、いつから好きやったん?…凛ちゃんのこと。」



私がそう言うと、彼の顔が歪んだ。









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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年2月21日 20時

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