6話 ページ7
…
そのまま睡魔に襲われそうになっていた時
下からピーっと笛の音がして
試合が始まったことを知らせた。
そっと柱の陰から覗けば、それは女子の試合で。
つまらないと元に戻ろうとした時
素早くボールを奪いゴールを決めた、一際目立つ彼女が見えて
心の中で嘲笑った。
みんなからすごいすごいと囃し立てられているのにも関わらず
いつもと同じポーカーフェイスを崩さない彼女に
昨日は、流星と学校であんなことしてたのにね、と
本人に面と向かって言ってやりたい気持ちが込み上げた。
自分はいつも変わらない彼女のその表情が崩れるのを見たのだと思うと
なぜか心が躍った。
私が体育をサボった理由は2つある。
そのうちの1つが隣のクラスには知宙がいるからだった。
彼女は昔からバスケがすごく上手くて、選手にもなれるのに高校に入ってからはマネージャーとして選手のサポートをする側に回った。
まあその理由なんてすぐに想像がつくけど。
そんな彼女がいればバスケ部のいないうちのクラスに勝ち目なんてあるわけなくて。
そんな勝負が目に見えてる試合にわざわざ出る必要もないと、体育をサボった。
そして2つ目は…
ピーっと笛が鳴って
隣のコートの試合が始まる。
そう、男子の試合が。
私の視線は一直線に彼だけに向けられた。
最初にボールを持ったのは智洋。
その後相手チームに阻まれながらも見事に望がボールを奪い
あと少しでゴール
そんな時、颯爽と現れた流星にボールを奪われ
一瞬のうちにゴールを決められた。
…さすが、バスケ部のエースだけある。
私が見つめる彼は、何とか頑張ってボールを奪おうとするも
いつも邪魔されてしまって。
「…ふふ。」
悔しがるその姿さえ愛しいと思う。
2つ目の理由は、彼のことを心置きなく眺めていられるから。
ここにいれば
誰にも邪魔されることなく
思う存分彼の姿を見つめられる。
次の体育がバスケだと聞いた時点で
私はもうここへ来ることを決めていた。
そうしてずっと彼を見つめていれば
彼が望にパスをして
流星に奪われる前にゴールを決めた。
うちのクラスが初めて点数を取った瞬間だった。
彼が望に飛びついて喜んでいるけど
点を決めた本人はずっとキョロキョロ
…女子のコートを見つめていた。
あ、もしかして。
そう思った瞬間、ゴール下にいた流星と
目が、合った。
…
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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年2月21日 20時