107話 ページ10
…
「…淳太」
淳太に冷たくされて私に泣きつく照史をなんとか追い払い、淳太の隣を確保する。
淳太「ん？どした？」
さっきとは違い、優しく微笑みながら答える淳太に、照史がこっちを睨んだのがわかる。
「…眠い。」
昨日夜中までスマホゲームやってて、ほんとは勉強どころじゃないんだよね。
…いや、テスト前とは思えない生活してんな私。
淳太「ん〜、もうちょっとがんばろな。そしたら昼寝してええから」
「んふふ、がんばる。」
淳太の甘くて優しすぎる笑顔に思わずにやけちゃった。
照史「なんなん今の！見ました奥さん！？」
崇裕「痛い痛い、力強い」
嫉妬に狂う照史に八つ当たりされる崇兄。笑
私もそろそろ始めるか、と
とりあえず近くにあった英語のテキストを広げる。
…で、開始早々わかりません。
何これ、こんなん習った？
見たことない単語ばっかなんですけど。
わからなすぎてテキストと睨めっこしていると、前からクスッと笑い声が聞こえてきた。
顔を上げると、目の前にいた大毅とばっちり目が合って。
恥ずかしい、てか
大毅に見られていたことにどんどん顔が赤くなっていくのが自分でもわかった。
偶然愛美ちゃんには見られてなかったみたいで、2人で目を見合わせてまた笑った。
うわ、なんだこの幸せ空間。
やっぱり勉強会やってよかった。
愛美ちゃんがいても参加するのやめなくて本当によかった。
1人で幸せの余韻に浸っていると、
望「そこ、教えたろか？」
横からぐいっと顔を覗き込んできた望。
その表情はどこか怒っているように見えて。
「お、お願いします…」
とりあえずこれ以上機嫌が悪くならないよう望に教えてもらうことにした。
望、淳太ほどではないけど英語が得意だから。
早速わからないところを聞こうとすると、
“なに大毅とアイコンタクトしてんねん”
紙の端っこにそう書いて頬を膨らませる望。
その姿が可愛くて、思わず笑ってしまう。
“そんなんしてないで？”
私の答えに、疑いの目を向ける望。
その時、のんちゃ〜ん と望が由紀に呼ばれたので
「淳太に教えてもらうから、大丈夫やで」
と、彼に由紀のところへ行くよう促した。
今由紀と険悪になっても面倒だし…。
その後ひたすらテキストと睨めっこしていたら、もう2時間も経っていたみたいで淳太が休憩しようと言ってくれた。
…
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作者名：ホワイトモカ | 作成日時：2023年11月4日 3時
