この恋、難攻不落につき。3 (ページ39)

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136話ページ39

…

月曜日。

朝のHRが始まったばかりの校舎はしんと静まり返っていた。

後ろのドアから物音を立てずに教室に入れば

担任だけが私が来たことに気づいた。

今日はどうやら二学期最初の席替えの日らしく

教室内はザワザワとうるさい。

窓側の一番後ろ

久しぶりに自分の席に着く。

先生「じゃあ、各自前に来てくじ引いたら席移動するように。授業遅れないように急いでやれよ〜」

その言葉に一段と盛り上がる教室内。

先生「…中間は今から先生と一緒に職員室来い。」

だけど次の瞬間、一気に静まり返った。

まるでお化けでも見たかのような視線があちこちから突き刺さる。

それを全部無視して

無言で席を立ち廊下に出ようとする。

望「っ、Aっ！！」

先生「小瀧、あとにしろ。」

久しぶりに聞いた愛しい声。

突然消えて、ごめんね

一瞬視線を合わせて心の中でそう呟いたけど

ちゃんと伝わったかな。

職員室へ行く間も

廊下にいた生徒たちの驚いたような視線が痛い。

半月学校に来なかっただけなのに

そこまで驚くこと？

一体どんな噂が立てられていたんだろう。

職員室に入った途端、学年主任や生活指導の先生などあらゆる人に囲まれて尋問を受ける。

それをすべて適当に流しながら鬱陶しさを態度に出せば

担任がはぁ、と大きなため息を吐いた。

先生「あのなぁ中間、ちょっとは兄の気持ちも考えろ。」

「…は？」

先生「お前が来ない間全部の教科の担任に頭下げて、ご家族の複雑な事情説明して、お前が休んだ分取り戻すための交渉までして。

毎日のように俺のとこ来て明日には、来週には来させますからって頭下げて…。

そんな兄の努力を全部無駄にする気かお前は。いつまで淳太に迷惑かけて過ごすんや。来年淳太が卒業したあと、どうする気や。」

…そんなこと、自分が一番わかってる。

担任からの長ったらしい説教が終わったのは1時間目も終わる頃で。

人気のない廊下を歩きながら淳太のことを考える。

もうそろそろ、本気で

見捨てられても仕方がないかもしれない。

はぁ、と大きなため息が静かな廊下に響く。

「あ、の、中間さん」

後ろから聞こえた声に振り返れば

「き、急に声かけてすみません…

あの、今、ちょっとだけお時間ええですか…」

そこには知らない男の子が立っていた。

…