この恋、難攻不落につき。3 (ページ32)

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129話ページ32

…

「…あきと、」

あの電話から3日後の日曜日。

私は半月ぶりにこの町に帰ってきた。

スマホは置いて出て行ったからあれ以来誰とも連絡はとっていない。

何かあると、すぐ連絡手段を絶ってしまう私の悪い癖だ。

淳太とだけは、ちゃんと連絡を取り合ってたけど。

照史「………おう。」

ひっでー顔

そんな風に笑われるかと思ってたのに、八の字眉をさらに下げて小さく笑う。

照史「ん、…ここ座って」

照史に指定されたのはマンションの近くの小さな公園。

小さい時、毎日のようにみんなで遊んだ

思い出の場所だ。

言われるがまま照史の隣のブランコに腰かける。

照史「うー、ん…」

何から話せばええんやろな、って

空を見上げる照史。

照史「とりあえず、お前が無事に生きててくれてよかった」

…流星にも、言われたけど

家出しただけなのにそんなに死ぬと思われてたのか。

だけど、いきなりいなくなって何日も連絡がつかなくなったら

そんな心配をさせてしまうのも当たり前か、と今さら反省する。

照史「んー、…と、俺回りくどいのもオブラートに包むのもできひんから、ただ単刀直入に言いたいことだけ言うな？」

困ったように笑って、心配そうに私に目配せする。

照史「今お前が悩んでる理由を、………いや、今までずっと悩んできたことを、俺は知っててずっと気づかなりフリしてきた。ごめん。」

いきなり私の目の前に立って

頭を下げる照史。

照史「…大毅が好きなんは、お前やねん」

突然

なんの脈絡もなく放たれたその言葉に

頭をぶん殴られたかのような衝撃。

照史「…今も、昔も、ずーっと変わらずに」

「……」

信じられなくて

頭が真っ白で

ただ、真剣に話す照史の顔をぼーっと眺めていることしかできなかった。

少し、昔話をしようか

そう言った照史は、何だか懐かしそうに笑って遠くを見つめた。

…