この恋、難攻不落につき。3 (ページ31)

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128話ページ31

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流星『A、よく聞いてな？』

久しぶりに聞いた

流星の、低くて優しい声。

まるで小さい子に言い聞かせるみたいな口調。

流星『他の誰にも会おうとしたり、話そうとしたりしなくていいから、1度だけでいいから、帰ってきて欲しい。』

周りはしーんと静まり返ってる。

いま、流星は1人なんかな。

流星『そんでな、できれば、1回だけ、一瞬だけでええから照史に会ってあげて欲しい』

………なんで、照史？

何も言わない私に構わず、流星は続ける。

流星『照史が、どうしても言いたいことがあるって。絶対今Aに言わなきゃあかんことなんやって。…ほんまにほんまにほんまに一生のお願いやから、話を聞いて欲しい、…らしい。』

まるで、そばで誰かに言わされてるかのような言い方。

なんで、照史が

言わなきゃいけないことって？

どうしてそれを流星が

なんでお母さんの家の電話を知ってるの

言いたいことは山ほどあった。

だけど無気力に囚われた私は、言葉にすることさえしようとしない。

流星『嫌やったら、ええねん。そっちにずっとおってもええ。俺は、お前が…生きててくれたらそれでええ。』

“言いたいことは、それだけ。”

突然かけてきて、突然切られた。

頭の中は疑問だらけのはずなのに

なぜだか私は

どうして照史が私に会いたがっているのか

いま照史に会わないとどうなるのか

心のどこかで、全部わかっているような気がした。

…