この恋、難攻不落につき。3 (ページ4)

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101話ページ4

…

淳太「ジャーーーン！！」

効果音とともに淳太がタッパーの蓋を開けると………

照史「…えっ、何これ！？」

望「すげー……」

智洋「…うわー、泣くわこんなん。」

大毅「……っ、」

全員の名前と、それぞれへのメッセージ。

タッパーが大きいおかげでこんな風にメッセージを書くことができた。

まぁ、多くても一言二言くらいなんだけど。

みんな喜んでくれてるけど

私は、ただ1人だけ

大毅のことだけ見つめていた。

静かに、私からのメッセージを読んだあと

いただきます、とお弁当を頬張る。

照史「あかんってこんなん……淳太くんありがとう～！！」

涙目で淳太に抱きつく照史。

やっぱり、泣くと思った。笑

淳太「お礼はAに言ってや。これ考えたんも、メッセージ書いたんも、Aやから。」

淳太がそう言うと、みんなして目を丸くしながら私を見つめる。

「…いや、その、みんな頑張ってたこと知ってたし…喜んでくれればな、って……」

一気にそんな注目されると恥ずかしい。

照史「A～～～！！」

とうとう泣き出した照史に思い切り抱きつかれる。

いつもなら、気持ちわる！って突き放すけど

こうやって素直に感動してくれたことが嬉しくて。

私も軽く彼の背中に腕を回した。

泣き虫な照史の背中をぽんぽん、と撫でる。

望「あぁーー！！大毅なに全部食おうとしてんねん！！」

望もメッセージを読んでちょっと涙ぐんでる、と思ってたら大毅を指差して大声で叫んだ。

智洋「ちょ、勢いすごすぎやろ！笑」

智洋に注意されても、私たちが持ってきたお弁当を食べるのをやめない大毅。

それが、彼なりの感謝の表し方なのかなって。

愛美ちゃんにもらったお弁当よりも

私が作ったお弁当を美味しそうに食べてくれる大毅に

想いが込み上げそうになる。

大毅「これで午後も頑張れるわ！」

愛美ちゃんが見ていないからか、久しぶりに私の目をまっすぐ見てくれた大毅。

私には滅多に向けられることのない、太陽みたいなだいきゃんスマイルに

簡単に頬の熱が上がっていくのがわかる。

望「ほんまに、ありがとうA。」

みんな喜んでくれてよかった。

けど………

智洋「…ありがとう、」

いつもなら真っ先に、誰よりも感謝の言葉を言ってくれるはずの智洋と

目も合わないのがこんなにも悲しいなんて…。

…