この恋、難攻不落につき。3 (ページ23)

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120話ページ23

…

夏希「みんなお待たせー！」

マンションのエントランスに着くと、そこにはもうみんな集まっていて。

崇裕「あっ、来た！じゃあみんな出発するか！」

真新しい綺麗な深紫の浴衣を身に纏った崇兄が、普段からは考えられないほど大人っぽく見えた。

由紀「お兄ちゃん、この前お小遣い貰ってたし奢ってくれるやろ？」

由紀は可愛らしいピンク色に花柄のなんとも女の子らしい浴衣に身を包み、

照史「何言うてんあほ、お腹いっぱいになるまで使うつもりやから無理や。」

照史はオレンジと黒のオシャレな模様が入った、なんとも照史らしくない浴衣に身を包んでいた。

聖菜「ともくんっ、新しい浴衣っ？めっちゃかっこいい！」

智洋「…ありがとう。」

私の隣にいた智洋に駆け寄ってきた聖菜ちゃんは、パステルカラーのグリーンに可愛らしいホワイトの花が散りばめられたこれまた女の子っぽい浴衣で。

こんなに可愛らしい子に褒められたのに、隣の智洋は気まずそうに苦笑い。

流星「…凛、めっちゃ綺麗。」

凛「へへ、ありがとう。…流星も、今年の浴衣も似合ってんで。」

初々しい美男美女カップルの2人は、合わせたん？ってくらい似た柄の、美しい青色の浴衣で2人仲良く並んでいた。

望「…ちょっと待って。噂では聞いてたけど、やっぱり2人って付き合ってるん！？」

流星たちの会話に驚いたように声を上げた望は、今年は黒地にピンクのストライプの入ったスタイリッシュな浴衣で。

大毅「えっまじで！？」

そして、大毅は…。

艶やかな深い赤紫の浴衣から、ちらりと覗く鎖骨。

…やばい。

1年ぶりの大毅の浴衣、心臓に悪すぎる…。

今日は1年の中で1番待ちわびた日かもしれない。

だって、大毅の色っぽい浴衣姿がこんなに間近で見られるんだもん。

淳太「…あんまからかうなよ、お前ら。」

淳太も珍しく新調したのか鮮やかな黄色の柄が眩しい浴衣に身に包んでいた。

お母さんが送ったわけではないだろうし…自分で買ったんかな？

この浴衣を選んでいる淳太を想像して、勝手にかわいくて頬が緩む。

照史「淳太くん知ってたん！？おい流星、聞いてへんで！」

崇裕「まぁまぁ、せっかくのカップル誕生なんやから静かに見守ろうやぁ」

崇兄は嬉しそうに、ちらっと流星に目配せする。

崇兄にはちゃんと話してたんだな、流星。

知宙「…」

…知宙、今日は来ないかと思ってた。

…