この恋、難攻不落につき。3 (ページ21)

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118話ページ21

…

「………は？」

驚きすぎて開いた口が塞がらない。

流星に買ってもらった棒アイスが

溶けて滴り落ちてくるのを感じながら

思考停止してしまった頭でなんとか言葉の意味を理解しようとする。

“凛と付き合うことになった”

付き合うことになった？

凛ちゃんと流星が？？

そんなはずない。

だってバスケの大会の日から

2人は一度も会話していないはずで。

それどころか目も合わせてくれないって流星嘆いてなかった？

「どういうこと……」

流星「…実は、夏休み入ってから凛が彼氏と別れたみたいで。凛、ほんまは薄々気づいてたんやって、彼氏の本性に。

それでバスケの大会の後から彼氏とちょっと距離置いてたらしいんやけど、さすがに彼氏がちゃんと話し合いたいって言ってきて…。

だからあの大会の日、なんで俺とあんな喧嘩になったのか正直に話してほしいって彼氏に言ったんやって。」

正直に…てことは、

流星「そんで彼氏が渋々全部吐いて…。中3の時自分を怪我させた犯人が彼氏やったってわかって、すぐ別れたらしい。そのあと、俺のとこに謝りに来てん。あんな男とずっと付き合ってた自分が恥ずかしい、流星を一瞬でも悪者扱いしてごめんって。」

…そっか。これでやっと凛ちゃんはあの事故から解放されるのかな。

また、バスケやってくれたら嬉しいな。

流星「それで……。もし、まだ私のこと好きでいてくれてるんやったら、付き合ってくれへんかって…」

パッと流星の表情を伺うと、耳まで真っ赤になりながら手元のアイスをじーっと見つめていた。

よかったなぁ、あんなに好きだった人に気持ちが届いて。

…羨ましいなぁ。

流星「…正直、凛があのクソ男と別れたのは嬉しかったけど、すぐ俺と付き合ってくれるなんて思ってへんかったから…。なんか今、変な気分や。」

照れ臭そうに俯いて笑う流星の頭を、思いっきり撫でてあげる。

流星「いたっ、ちょ、何やねん！」

嫌がってるわりには、ちょっと嬉しそう。

「…ほんまに、おめでとう流星。」

こんなに自分のことのように嬉しくなったことないよ。

流星「ありがとう。…Aのおかげでもあるな。」

あぁ、これでしばらくは流星と距離を置かなきゃいけなくなるな。

…