115話 ページ18
…
今日は補習最終日。
最初は面倒くさいと思ってたけど
プリントを何枚か解けばすぐに帰れるし
何より大毅と毎日隣同士でいれたことが夢のように嬉しかった。
愛美ちゃんがいないと誰の目も気にせず私と話してくれるし
智洋も、毎日一緒にいたから少しずつ前みたいに話してくれるようになった。
なんだかこんな毎日が続けばいいのにと思ってしまうくらい
2人が赤点を取ってくれてよかった、とさえ思った。
だけど今日で補習は終わり。
夏休みだからと言って外に出るようなタイプじゃない私は
きっと毎年恒例でみんなで行く花火大会まで2人には会わないだろうな。
本当は海やプールやバーベキューなんかに
みんなと一緒に行けるかも、と思ってたけど
淳太たちは受験生だし、大毅たちサッカー部はほぼ毎日部活だから
そんな夢は早々に破かれた。
今日は最終日ということで先生が早めに補習を終わらせてくれて
みんな上機嫌で教室を出て行く。
…もっと、大毅と一緒にいたかったなぁ
この席でもっと一緒に授業を受けたかった。
みんなが次々と教室を出て行く中、私たちは隣で授業中の智洋を待つため2人きりで教室に残ることに。
大毅「うあ゛〜〜〜〜、やっと終わったぁ」
この1週間疲れたのか、すぐに机に突っ伏してしまう大毅。
あぁ、好きだなぁ。
ゆっくりと
その黒く艶のある髪の毛に触れようとした…その時、
智洋「ごめん！今日うちのクラス終わんの遅くてさぁ」
慌てた様子で教室に入ってきた智洋に
大毅が勢いよく顔を上げるから
私も慌てて手を引っ込めた。
………あぶな、いま私
大毅に触れようとしてた…？
かあっと赤くなった頬を
見られまいと必死に隠す。
…こんなんじゃ、私
中学生の男子みたいだ。
大毅「やぁっと終わったな補習ーーー！今日からサッカー漬けの日々や！」
サッカーが大好きな大毅は嬉しそうにニコニコ。
智洋も、補習が終わって嬉しそう。
…普通は、そういう反応だよね。
補習なんて面倒くさいしダルいし
終わったら嬉しいはず、なのに
私はちっとも嬉しくない。
しばらく2人に………大毅に、会えないんだと思うと
終わって欲しくなかった、って思うのに
やっぱりあなたはそんなこと思ってくれないよね。
サッカー部はまだ始まるまで時間があるらしく
3人でしばらく教室で暇を潰すことになった。
…
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作者名：ホワイトモカ | 作成日時：2023年11月4日 3時
